魔法少女と重力少年。

＊ ページ20

其の日を境に、
本格的に研究を進めた。

「中也幹部。
研究の方は如何なんですか？」

『彼奴、毎日頑張ってる。
でも流石に俺は魔法の事なんざ分からねェからな。
正直、如何いう状況なんだか全然分かりゃしねぇ。』

「魔法…ですか。」

少し、目を細めた芥川。

『如何かしたか？』

「魔法とは、
僕達が“そうありたい”、“そうしたい”という考えから出来る物。
そして、其の魔法を如何使いたいか考えるのが大事。
そうでしょう。矢張り、童の考える魔法などは。
“魔法があれば何でも出来る”。」

『真逆、手前からそんな言葉が出るとはな。』

「此れは彼の人の言葉。忘れたりはせぬ。」

彼の人…太宰？

『太宰か？』

無言で首を振る。

「魔理沙幹部の…否。姉上の父親です。」

『ッ！？
如何いう…事だよ…！？』

姉上だと？

「僕は幼少期にあの地に降り立った事がある。
其処で出会ったのが姉上3人。」

『其れが…魔理沙と霊夢、咲夜って事か？』

「はい。」

幼少期…そういや此奴、孤児だったんだよな…
孤児になるまえって事か…

「僕は未だ覚えているが、姉上は覚えていない様。
でも、1番男っ気の無い魔理沙姉上が彼氏…よもや、
旦那を作るなど、驚きました。」

『彼奴、あれで男っ気ねぇんだ…
ていうか魔理沙はなんで忘れてんだ…？』

「幼少期…といっても、もう姉上は14、5だった筈。」

如何いう事だ…？

『家に帰ったら聞いとく。良い話が聞けた。
有難うな、芥川。なんなら、俺の事も兄上って呼んで良いんだぜ？』

「遠慮します。
貴方は僕の上司故。」

『冗談っだつぅの。本気にすんな。
じゃあ、また。』

「はい。また。」

急いで家に向かう。
今の時間帯なら家に居るよな…？

『魔理沙ッ！！』

「お、おう…おかえり。
ほら中也。ただいまは？」

『た、ただいま。』

ほらって何だ。ほらって。

「で？そんなに急いで如何したんだ？」

『嗚呼、そうだ。
手前、14か15くらいの事覚えてるか？』

「覚えてるぜ？」

『其の記憶の中に黒髪の餓鬼は居るか？』

「嗚呼、龍くん？懐かしいぜ…
ていうか、なんで中也が知ってるんだぜ？」

は？此奴気付いてる？
あれ？気付いてねぇのか？

『再会出来たよな？』

「いや未だしてないけど…？」

此奴マジか。名前も同じで黒髪だろ…？

『手前、気付いてないみてぇだけどな。
其の龍くんは手前の部下の芥川龍之介だぞ？』

「えっ？
…えぇぇぇえええッッッッ！！？？」

うわ、本当に気付いてなかった。

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