それはやっぱり君でした＊6＊Ninomiya

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和：A…



背中を向けていた彼が

こっちを向いてしゃがみこむ



和：A…？



私、知ってるよ



和：本当ごめん…



全部知ってるから



和：イヤな思いさせてごめん…



あなたが考えてることも

全部、全部、

分かっちゃう



和：本当に…

あ：…にが…なにが…“ごめん”なの…？



きっとこれから

私に言おうとしてることも…



だからそんな苦しそうな顔しないでよ



和：A…

あ：わたしっ…全部…全部ちゃんと知ってる…
かずくんが…ﾋｯｸ…がんばってくれて…ること…
ﾋｯｸ………知ってるよ…

和：だから…会いにきてくれたんだ…？



そうだよって彼の目をじっと見る

苦しそうに歪んでた顔が

一瞬だけ納得したように見えて



和：そっか…



無理矢理笑顔をつくる



あ：だからっ…だから…



待っててもいい？

そう聞こうと思ったのに



和：A…それはさせられない

あ：な…んで…

和：俺ね…Aには幸せになってほしいの

あ：だったら…

和：俺じゃだめだ



俺じゃだめなんだって

自分に言い聞かせるように

何度も何度も呟く



あ：聞きたくない



両手で耳をふさいだ



和：A…



それなのになんで？

大好きな彼の声は

やっぱりダイレクトに響いてくる



待ってろって言ってよ



ついてこいって



好きだよって



ただ一言よ？



言ってくれればいつまでも待てるのに



苦しくても辛くても



あなたのいない世界なんて…



和：A…幸せに…なって…



あなたのいない世界で幸せになれなんて

そんなのムリだよ

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