それはやっぱり君でした＊6＊Ninomiya

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和：A……俺…



ゆらゆら揺れる彼の目を見つめて

その目に私が写ってることに

胸がきゅんとなった



なのに



なんで？



彼を呼ぶ声が聞こえたら

彼の目にはもう私はいなくて



どこにもいかないで

離さないでって

背中にまわした手に力をいれた



ーかず？こんなところで何してるの？



カツカツとヒールを鳴らして近づいてきたのは



和：…っ美鈴

美：ナニしてるの？

和：それは…俺のセリフだろ

美：えぇ？笑 彼氏に会いにきちゃだめ？笑

和：っお前…ざけんな



彼氏のワードに先に反応したのは彼で



和：何が彼氏だよ

美：かずは美鈴の彼氏でしょ？



楽しそうに笑った柏木さんが

私を見て人形のように笑う



美：“幼馴染みのAさん”でしたっけ？
こんなところでこういうことされると困るんですけど

あ：こういうこと…

美：だってそうでしょ？



ふふって笑った柏木さん



美：これじゃかずが浮気してるみた…

和：美鈴、黙れよ



スッと立ち上がった彼が

柏木さんの視界に私が入らないように

私に背中を向けた



美：…そんなに怖い顔しないでよ、私はかずのことを思って

和：だったらなおさら…黙ってろ

美：…そんなこと言っていいんだ？
幼馴染みちゃん、傷つけちゃうよ？

和：…いい加減にしろよ

美：ふふ、まぁいいわ。部屋で待ってるから鍵ちょうだい



彼の背中越しに聞こえる会話に

目の前が霞む



和：おいっ、それ…



リンリンと聞こえる魔法の音は

柏木さんが手にしてるソレからで



あ：それっ！！

美：これ？美鈴のよ？ぜーんぶ、美鈴の



ニッコリ笑った柏木さんが

遠くなると鈴の音も小さくなって



あ：わたし…のなの…に…ﾋｯｸ



聞こえなくなった

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