月島の告白。3 ページ7
「...ねぇ、なんであんたが一緒についてきてんのかな？」
そう言ったのは私。
私は山口くんと一緒に帰るハズだった。
なのに、ここに山口くんじゃない人がいる。
「当たり前デショ、僕と山口は幼馴染。あと、家が近所だしね。」
ハァアアアー、
大きく大きく、ため息をついた。
「まぁまあ、いいじゃん！こんなこと滅多にないんだし！」
山口くんが、ハニカミながら言うから、何も言えなくなってしまった。
でも、このあとの彼の言葉に絶句する。
「あっ、そういえば今日、オレ、寄ってくとこあったんだ！ツッキー！Aさん、ちゃんと送って行ってよ！？」
...はい？
ねぇねぇねぇ、山口氏、私とこいつを置いて行くというの！？
酷い。酷すぎるわぁあああ！！！！
そんな私の(心の中の)叫びも虚しく、彼は去って行った。
そして今、
私と月島は、お互いに5m離れて歩いている。
月島が止まれば、私も止まる。
私が止まれば、月島も止まる。
「ねぇ、そんなに僕のこと嫌いなの？」
突然振り返って言う。
「当たり前でしょ！大体、あんたが．．．！」
言いかけた時、強い風が吹いた。
その風に乗って、カバンに押し込んだ手紙が、月島の元へ。
「何コレ？」
拾い上げる。
「あっ、ちょっと、見ないで！！」
制止も聞かず、手紙を開く。
...あ、なんかデジャヴ。
じゃなくて！早く取り戻さないと、「Aさんこんなのも貰ってるの？w」って馬鹿にされる！！
でも、月島の反応は予想とは反するものだった。
「えっ.ラブレター？」
顔を顰める。
「そだけど、何か？」
「こんなの毎日貰ってるの？」
「まぁ、ほぼ毎日」
「Aさん、モテるんだね。」
「うん、そうらしい。」
「いつもコレに応じてるの？」
「まぁ、大体は。」
...月島。どうしたんだお前。
よく質問がそこまで出てくるな！？
「そうなんだ。」
そこから先は、無音。
お互いの足音と、街灯の灯りが点滅する音。
空気は重かった。
「じゃあ、私の家、此処だから。じゃあね。」
「ウン。」
そのまま別れた。
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作者名：ハルキ | 作者ホームページ：
作成日時：2016年6月13日 22時
