日向の告白。2 ページ2
「おや?Aさんじゃないですか?」
ひょこっと顔を出したのは武田先生。
...通称、現国の武ちゃん
って、なんで武ちゃんなの!?
日向は!?やっぱり来ないの!!??!
まあ、心の中はそんな感じで荒ぶってましたが、そこは私。頑張りました!
「あ、武田先生。もしかして、校内の見回りですか?」
「そうだよ。Aさんは、どうして此処に?」
可愛く首を傾げる武ちゃんに、ぐっと詰まる。
...いや、私が責任感じる必要はないね!
「その、実は、日向君にノート貸してて...。放課後には返してって言ったんですけど。まぁ、返ってきませんでした。多分、忘れて帰っちゃったんでしょうね。」
ため息とともに一気に吐き出すと、
ありえない返答が返ってきた。
「ん?日向君、まだ第二体育館で、居残り練習してますよ。」
間。
「え?」
マジかぁ。
「僕は、まだ校内の見回りしないとだから、ついてけないけど、行ってみたらどうです?」
武ちゃんの提案に従うことにした。
第二体育館は、一旦外に出て、廊下を通っていかなければならなかった。
今度は、夏にもかかわらず、涼しい風が吹いていた。
寒。
________キュッキュキュッ
____バン!
体育館の中から、聞こえた。
恐る恐る中を覗くと、
谷地ちゃんがボールを軽く投げて、
黒髪君がトスあげて、
日向がバチンと音を立てて打っていた。
「スゴイ...。」
その流れるような動作に、思わず声が漏れてしまった。
向こうにも聞こえてしまったらしく、
一斉に三人が振り向く。
「アッ!A!!!!見にきてくれたの!?」
なんか嬉しそうなんですけど!?
違う違う。
ワタシ、アナタ、シカリニキタ。
「違います!なんでそうなんの!?私のノート返してよ!!」
すると、ハッとした顔になった日向は、慌てて、土下座した。
「っごめん!!すっかり忘れてたんだ!!」
あの、日向が、
土下座。
信じらんないなー。
まあいいか。
「え?日向が借りてたノートって、学年一位のAさんのだったの!?」
谷地ちゃんが驚いたように言う。
「なんだと日向ボケェ!お前、一人でズルいぞ!!」
黒髪君が怒鳴る。
...おお〜怖い。
「と、とにかく!ノートこれ!」
びびりまくる日向が、押しつけるようにノートを渡した。
それから、その場に不似合いなくらい、顔が赤くなった。
まあ、放って帰ったけど
...家に着いてから、その意味を知った。
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作者名:ハルキ | 作者ホームページ:
作成日時:2016年6月13日 22時