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「...うん、そうね。話す、とは言ったけど、何を話していいかさっぱりだわ。」
彼女は笑った。
「ではまず、犯行の動機を教えてください。それから、貴女がヴィラン連合とどういう関係なのかを。」
チャンスを逃すまいとして、俺は矢継ぎ早に質問を紡いだ。
「あー、動機？別に大したものじゃないよ。」
足元の石を拾い上げて、遠くの壁に向かって投げる。カチンカチン、という硬い音が遠くの方で聞こえた。
「私が、花吐き病だから。花吐き病の、個性持ちだったから。....尻拭いをしようと思っただけ。」
「___え？それは、どういう意味で」
「まだ話は終わってないわよ？じゃあ、続けるけど、ヴィラン連合と深い繋がりはないわ。向こうが勝手に私に目をつけて、私の
彼女はこめかみの辺りをトントン、と指先で叩く。
「さて、それじゃあ質問は？」
僕はゴクリ、と生唾を飲み込んで、言いかけの問いを続けた。
「花吐き病は、個性なのですか？」
「ええそうよ。私の個性。って言ってもちょっと違うんだけどね。....副作用ってやつ？」
立っているのに疲れたのか、彼女は積み上がった瓦礫の上に腰かけた。
「私の個性は不死。自分の意識をずーっと次の世代、次の世代へと繋いでいける個性。...つまり、何千何億年は、言い過ぎかも知れないけど、ずっと前からこの人格は生きてる。」
「そんな、個性、聞いたことありません。」
「でしょうね、でも、本当なんだよ。こんな夢みたいな個性にもデメリットはあって、それが花吐き病ってわけ。」
カラカラと笑い転げる彼女は、人間としての感情が欠落しているとは思えなかった。
「花吐き病の、感染経路は...？」
「ああ、また質問？いいよ、全然大歓迎。で、感染経路だって？それなら確か、飛沫感染。患者から甘い匂いを感じたらアウトよ。」
「なっ！？じゃあどうして殆どの人は発症しないのですか！？」
「まぁまぁ、落ち着きなさいよ。発動条件があるの。」
彼女は人差し指を唇に当てて、悪戯っぽく笑った。
「花吐き病は、人間の精神に根を張って成長するの。そして、その根が、心理的ストレスを与えられた瞬間、一気に成長する。そして、あの花を吐くようになるのよ。」
「...例えば、」
言葉を続けようとしたが、「飯田！」と名前を呼ばれる。振り返ると仲間たちがいた。
前の方から鈍い音が響いて、白い花が転がる。
それで、実に呆気ない幕切れとなった。
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ハルキ(プロフ) - 雛桜さん、今回も温かいコメント本当にありがとうございます！返信遅れてすみませんでした...。次回作も、ご期待に添えるよう頑張ります (｀・ω・´) (2017年1月21日 15時) (
レス) id: bbf3e98df8 (このIDを非表示/違反報告)
雛桜 - 今回も見ました!!ほんっとにハルキさんの作品は面白いです!!貴方の作風ほんっと大好きです!!これからも頑張って下さい!(*´∇｀*) (2017年1月19日 23時) (レス) id: 022154d35a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハルキ | 作者ホームページ：
作成日時：2017年1月14日 16時
