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粉塵の中、プロヒーローは失神していた。
俺以外のクラスメイトもすっかり伸びてしまっていて、意識を保っていたのは俺ただ一人だった。
その異常な状況で、なんとか目を凝らす。
粉塵のその先に、女性の立ち姿を見つけたからだ。
瓦礫の中からガラガラと盛大な音を立てながら這い出す。
足を踏み出して近づくと、花の匂いが濃くなった。
俺はヒーロースーツに内蔵してもらっていたライトを点灯させ、彼女を照らす。
見たことのない女性だった。
俺は、挂須先生で無かったことに少しだけ落胆しながら、ヒーローとして、彼女に手を差し伸べた。
「大丈夫ですか？」
「...ああ、君はヒーローだね。」
その瞳はどこか虚ろで、何も映していないように見えた。
「ええ、そうです。貴女方を救けにきました。」
「救けに、ね。」
彼女はクスクスとさも可笑しそうに笑った。次第にその笑いは大きくなって、爆発によって巨大化した空間に、高らかに響き渡った。
俺は困惑してしまって、マスクのなかで顔を顰める。
「何が、おかしいんです？」
「君のその言葉がだよ。」
不意に笑いを止めて言ったその言葉はひどく冷えていた。
「だって君、私がヴィランだって少しも疑ってないじゃない。」
「つまり、あなたはヴィランだと？」
クスリ、笑い方が、いつかの先生に重なる。
「ええ、そうよ。私こそがこの事件の主犯よ。」
唖然、茫然。
俺はそんな状態に陥った。
そんな状態のまま言葉を紡げば、どうなるか容易に想像がつくというのに、俺は、自分を制御できなかった。
「...どうして、」
掠れた声が漏れる。
「『どうして？』面白いことを聞くね。...ああ、君は、もしかしてヒーローの卵だったか。彼女の日記にあった。」
その言葉にハッとなって顔を上げた。
「ああ、まぁ、そのことは別にいいじゃないか、どうせ君らに救けられちゃうんだからさ。」
「それよりも今は、」言葉を切る。
「私の話を聞いてみない？」
俺は一つ、深く頷き、肯定の意を表した。
本来なら、こんなことせずに、彼女を捕らえるべきなのは十分に理解していた。
それでも俺は、彼女の話を聞くことにしたのだ。
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ハルキ(プロフ) - 雛桜さん、今回も温かいコメント本当にありがとうございます！返信遅れてすみませんでした...。次回作も、ご期待に添えるよう頑張ります (｀・ω・´) (2017年1月21日 15時) (
レス) id: bbf3e98df8 (このIDを非表示/違反報告)
雛桜 - 今回も見ました!!ほんっとにハルキさんの作品は面白いです!!貴方の作風ほんっと大好きです!!これからも頑張って下さい!(*´∇｀*) (2017年1月19日 23時) (レス) id: 022154d35a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハルキ | 作者ホームページ：
作成日時：2017年1月14日 16時
