伝えたいのに伝わらなくて (ページ9)

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お兄ちゃんページ9

私は奥へ歩いていく。

少し変わっていた道もあったけれど、家族の気配はすぐに分かるから。

そうしてたら、見覚えのある後ろ姿が見えた。

貴「……ララ。久し振りだね」

ラ「………！！っA？A……！！」

ｷﾞｭｯ

貴「わっ急に飛び付いてきたら危ないよー！」

ラ「だって、無事で……」

ピ「A………？」

貴「ピー！それに、スモーキー。」

ス「A………無事、だったんだな。でもあい
にく、一番心配してる奴が今仕事だ。」

ピ「そうそう。早く帰ってこないかなー」

貴「お兄ちゃん…………」

ス「とりあえず、上がってけ。」

そう言ってくれたスモーキーに甘えて、皆でパンを食べながら話をした。

そんな時。

タ「スモーキーただいまー」

「聞いてよ今日変なのに絡まれてさ……」

ピ「お帰りタケシ！腰抜かさないでよ？」

タ「は………？」

貴「タケシ、お兄ちゃん。お兄ちゃん……！」

タ「A？え、あ無事、だったん、だ。
っあれ、ちょ泣けてきた…」

貴「わっ、タケシお兄ちゃん泣かないで？」

ピ「俺より泣き虫になってるー」

タ「るっさいピー。」

ラ「ほんと、良かったね…」

ス「A。お前を探している奴がいたな…
会ってきたのか？」

貴「誰の事？」

ス「鬼邪高の頭。村山良樹。」

貴「あぁ………会ったよ。」

ス「そうか。何度も来るからうるさくてな…」

タ「ほんとね。分かってたらこっちだって苦労
してなかったし…」

貴「ごめんね？」

タ「いいよ。だって、Aのせいじゃな
い…」

「守れなかった、俺の責任だから。」

貴「なわけないじゃん。あ、ピー。そこミミズ
いるよ？」

ピ「うわっ、えっミミズ！スモーキー！タケ
シ！！ミミズー！！嫌い嫌い嫌い……」

ス
)「落ち着け。」
タ

貴「ふふっ変わってないなぁ…」

ていうか毎度思うけど。スモーキーのネーミングセンスはいかがなものか…

だって、

ずっとビートを踏んでたから、「タケシ」。

ピーピー泣いてたから、「ピー」。

出会った時、シオンの花が咲いていたから、「シオン」

出会った時、外国人風にテンション高くてyouは、って言ってたから、「ユウ」

いつもララララって歌ってたから、「ララ」

寝るときいつも家族の誰かの襟元を掴むから、「エリ」

そして、私達で考えた

無名街の煙たい事は、全て引き受けてくれるから、「スモーキー」

やっと、帰って来れた