失恋 〜ティナリ視点〜 ページ18
夜、僕も眠れなくて目を閉じているだけだった
そしたらアリアも眠れなくて起きていたみたいで
アリアは旦那の放浪者に連れられてテントを出ていった
僕は気になってしまってテントから少し二人の様子を伺っていた
見てはいけないと分かっていたけど
どうしても目に焼き付けなきゃいけない気がした
僕のこの想いを振り切るためにも必要だと考えた
見ているとアリアが放浪者にキスをしていた
アリア「君には心がある？」
放浪者「あるよ。なかったら君を愛せない。」
そう言って放浪者はアリアにキスをしていた
それを見て僕は思った
僕では君を満たせないんだって理解した
あんな顔僕の前ではしてくれない
苦しい、辛いという感情が湧き上がってくる
その時だった
セノ「ティナリ。泣いているのか？」
『あ、あぁ、セノ。起きてたんだ。そうだね…』
セノ「大丈夫だ、ティナリ。
お前には俺やコレイがいるだろ？」
『慰めになってないよ！』
セノ「俺にはどう慰めればいいのか分からないからな。」
素直だなぁセノは。
木の枝をもう一度見るとアリアと放浪者が笑いあって景色を堪能していた
どう頑張っても振り向いてもらえないのは一目瞭然だった
僕は最初彼女と出会った時
彼女の欠けている部分が多すぎることに惹かれた
支えてあげたいと思った
だけどそんなある日、恋仲ができたと言われて
捨てられた子供と一緒にその人を連れてきた時は驚いた
明らかに僕とアリアの方が長い付き合いなのに
後から出会ったこの人に取られるなんて思わなかった
なんで彼女はこの人に惹かれたのか分からなかった
だけどすぐに分かった
彼女も僕と同じように欠けすぎている彼に惹かれたんだと
そして僕には見せない表情を彼に向けていた
だから彼が彼女を守ってくれなきゃ困るから何度か揺さぶってみたけど
彼はぶれなかったし…
きっと彼なら彼女を守ってくれるだろう
僕の負けだよ本当に…
アリア「あれ？ティナリさん、セノさん。起きてたんだ？」
放浪者「アリアもう寝よ。僕もう眠たいよ？」
うわ…
面倒事に巻き込まれたくないから猫かぶってアリアに甘えて
事を避けようとしてる…
そんな彼を見てアリアは更に甘やかしていた
騙されないで！？アリア！
この人今僕に対して挑発してるからね！？
アリア「可愛いね？スカラマシュ。」
放浪者「アリア愛してるよ〜(ﾍﾞｰ)」
やっぱり渡すのやめようかな←
危険な匂いがしたよ今
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作者名：アクアリウム | 作成日時：2023年4月4日 12時
