今更 〜放浪者目線〜 ページ25
アリアに森へと連れてこられて煽られたという簡単な説明で片付くのだが
僕は先をできるようにしろと言ったはずなんだ
なのにこの程度のキスができて煽りってなんなんだ?
本当にバカだよ
結婚という二文字で照れるんだから←あなたもです
今アリアは僕に仕返しされて顔が真っ赤になってしまっていた
いつもしてるのにまだ慣れないのか
いつでも新鮮な一面を見られている気がする
そういうところが可愛いんだが…
プロポーズをするべきだったよね確か
ナヒーダが言うには男性から女性に向けてした方が女性側は喜ぶと言っていた
プロポーズというものは伝えるだけなのに重要視されている
意味が分からない
最初にプロポーズしてきたのは彼女自身だ
僕はアリアの両腕をつかんだ
めんどくさいが回りくどい言い方も僕は好きじゃないんだ
『僕がアリアとアクア、二人を守ってやる。ずっと守り続けてやる。だから僕と永遠に一緒に暮らしくれないかい?』
アリア「ふぁっ…」
アリアの顔がすごく真っ赤だ
人形なのにこんな顔までできるんだ
アリアは僕と同じなのに僕と出会って感情が豊かになった
人間として劣らなくなった
アリアは顔が真っ赤のままで僕に言った
アリア「約束だよ。スカラマシュ。」
『僕は裏切らない。愛してる、アリア。』
僕は彼女を抱き締めた
僕が存在を消したことで僕の代わりに生まれた雷神の人形
僕よりも恵まれて生きてきたが感情が芽生えなくて
僕と出会うまで空っぽだった人間として劣っていたが
僕と知り合って感情が豊かになり人間として強くなった
それでも彼女は僕のことを煽ったり蔑んだりせずに傍にいることを選んだ
アリアには返しきれない恩がある
ただこれを伝えるには早いかもしれないから言わない
アリア「スカラマシュ…私も愛してる。」
『今更プロポーズだなんて僕はすごく待たせたような気がするんだが…』
アリア「いつもプロポーズみたいなセリフ吐いてくれるからセーフだよ。」
『それはアウトの方だと思うよ。永遠とお前を愛すに決まっているだろう。他じゃ埋まらない。』
答えを聞く前に僕は彼女の唇を塞ぐ
国崩や散兵という名を背負っていた僕だったが
存在を消したことでそれが無くなってアリアが生まれた
この選択は間違っていなかった
キスをやめてアリアを見つめるとアリアは僕の名前を呼ぶ
アリアに名前を呼ばれ続けたい
その度に振り返るし応えるからずっと名前を呼んでほしい
そう考える僕は愚かだ
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作者名:アクアリウム | 作成日時:2023年3月20日 8時