本音2 ページ26
.
「今日1日一緒にいて本当に楽しくて、もっとAちゃんのこと知りたくなったし近付きたいと思った」
再びまっすぐ私を見つめてきたシャンクスさんをただ見つめ返すことしか出来ない。
「Aちゃんの恋人になって、俺に君を家まで送る権利をくれないか？」
心臓が煩いくらい鳴っている。
真剣に伝えられた想いに、今日感じたモヤモヤが吹き飛ばされた。
「……シャンクスさん」
女性に慣れていそうなシャンクスさんがデートと言うくらいだから、手を繋いだり肩を抱き寄せたりするくらいはしてくるかと思っていた。
でもそんなことは一度もなかった。
どんな時も紳士で私を優先していつも気遣かってくれる。
そんな優しさが嬉しかった。
「……私も好きです、もっとシャンクスさんと近付きたい」
シャンクスさんの瞳をまっすぐ見つめながら真剣に気持ちを伝えると、彼は溶けそうな顔で嬉しいと笑った。
「あー……、良かった」
座席に沈みながら長い溜め息をついたシャンクスさんは、私が思っているより緊張していたらしい。
彼がようやくエンジンをかけ、ゆったりとしたジャズバラードが流れだした車内は少し緊張感があった。
「……本当に俺で良いのか？」
「え？」
言いにくそうにそんなことを聞く彼にちょっと笑ってしまった。
「……なんだよ」
「いえ、何か可愛いなと思って」
「……どこが？」
「だってどう考えたってシャンクスさんの方が恋愛経験ありますよね……逆に聞きますけど、私で良いんですか？」
「Aちゃんが良い」
シャンクスさんは真剣な瞳で即答した。
「デートっていうから手繋いだりとかするのかと思ってたんですけどそんなそぶりないし……恋人になるまで待ってくれたんじゃないですか？」
「そりゃあ今すぐにでも抱きしめたいけど……Aちゃんのこと大事にしたいから、ちゃんとしたかったんだよ」
照れくさそうにそう言うシャンクスさんに心が暖かくなる。
「そういうところが何か良いなぁ……愛しいなって思ったんです」
シャンクスさんは少し驚いたあとハンドルに突っ伏してしまった。
表情は分からないが、髪色に負けないくらい耳が赤い。
私の言葉1つでこんな風になるシャンクスさんは想像してなかったなぁなんて思っていると、ちらりと顔を上げた彼は左手を差し出した。
「……帰りは手を繋いでも良いか？」
私は返事をするかわりにそっと手を重ねたのだった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 136人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちょこ(プロフ) - きちさん» 嬉しいです！こちらこそコメント頂けて幸せになりました(^^) (2022年9月1日 22時) (
レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
きち(プロフ) - シャンクスはもちろんのこと、ifストーリーのベックマンも最高でした、、めちゃくちゃニヤけて悶えました、、ベックのお話あんまりないので尚更で、、！幸せをありがとうございます！！！ (2022年9月1日 1時) (レス) @page50 id: 106dc987a3 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - ぷーさん» イケメンすぎましたか(笑)そう言っていただけて嬉しいです！ (2022年8月23日 16時) (レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
ぷー - え？？シャンクスイケメンすぎん？？？？てなりましたw最高です！ (2022年8月23日 4時) (レス) id: 1a24521b43 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - あさん» 楽しんで頂けたようで何よりです(^^) (2022年8月17日 9時) (レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちょこ | 作成日時：2022年2月5日 21時
