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「…っ、……」
「起きたか」
じわじわと蝕む痛みにゆっくり目を開ければ、ホンゴウが俺をじっと見ていた。
「いま、何時だ？」
「5時」
「……通りでまだ眠いはずだ」
「少し熱があるな。食欲は？」
「……ない」
「よし、これ食って薬飲んで早く寝ろ」
「聞けよ……Aは？」
食べたくないという俺の主張を無視して軽食の入った皿を押し付けてきたホンゴウは、夕食後に部屋に戻ったAはすぐ医務室を訪ねてきたのでそのまま休んでいるのだと教えてくれた。
「少しは何か腹に入れておいた方が良いぞ。今のうちに食べておかないと後で痛みがぶり返した時に辛くなる」
「………」
「Aにそんなヘロヘロな姿を見られたくないんだろう？
……まぁ、二日酔いで死にそうになってる姿は見られてるんだからもう手遅れだと思うけど」
鼻で笑われムカついたので近くにあった枕をぶん投げれば、難なく受け流され手癖が悪い！と逆に枕を投げ返された。
「くそ、Aの優しさ見習えよ……」
「アンタがそんな状態だって隠してやってるだろ。それとも医務室で寝るか？」
「………………………いやだ」
「今だって痛いんだろ？
夜だってあんなに暴れやがって……見ろ、おかげでこっちは怪我だらけだ」
ホンゴウの顔や腕には殴られた痕や引っ掻き傷があって、罪悪感からうっと言葉に詰まる。
昨夜痛みだした時点で医務室に行けば良かったのだが、そのうち治まるだろうと気付いてないフリをした。
激しく痛みだして動くことすら出来なくなってから後悔しても遅いのだが、Aの睡眠を邪魔しないよう声を押し殺していたのにベックに見つかってしまった。
Aが部屋で寝ているなら大人しく医務室に連れていってもらうところだったが、いないと分かれば自室の方が都合が良かった。
治療しようとしただけのホンゴウと俺を抑えるために加わったベック達に、かなり荒ぶった自覚はあった。
「………悪かった」
「たいして効かないのにあまり痛み止めを打ち過ぎても良くないからな、しばらくこのまま様子を見る」
また後で来ると言って部屋を出たホンゴウをベッドから見送り、右手で顔を覆った。
昨夜、腕の痛みを誤魔化すように頭に思い浮かべていたのはAのことばかりだった。
俺に左腕がまだあったら……と痛む腕を右手で押さえ付けながら、考えてもどうしようもないことばかりが頭に過ってイライラしてしょうがなかった。
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ちょこ(プロフ) - kaito11さん» ありがとうございます！引き続き続編もよろしくお願い致します！ (5月6日 22時) (
レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
kaito11 - この作品大好きです！これからも更新楽しみにしています！ (4月28日 18時) (レス) @page50 id: a5ae7a5cae (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - NATSUさん» いつもありがとうございます！ (2023年4月15日 17時) (レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
NATSU(プロフ) - 続きがとても楽しみです。 (2023年4月14日 22時) (レス) @page45 id: 01b4412dd0 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 白雪さん» 初めまして、大好きと言って頂けて本当に嬉しいです。更新の励みになりました！ (2023年2月27日 21時) (レス) @page28 id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちょこ | 作成日時：2022年12月18日 19時
