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先程まで痛みで冷静さを失い暴れまくっていたというのに、魘されながらも眠るお頭に深く溜め息をついた。
幻肢痛は痛み止めや鎮静剤を投与しても効かないこともある。
暴れ続けるお頭を数人がかりで抑えていたが、疲労困憊だった。
悶え苦しむほど辛い痛みを抱えてなお、あれだけ動けるシャンクスという男の底は未だに計り知れない。
しばらく起きないだろうというホンゴウの言葉を信じ、俺も自室に戻って休もうとお頭の部屋を出たところでAと出くわした。
「ベックさん、ありがとうございました」
「ああ、こちらこそ助かった……その荷物は？」
パンパンに膨らんだボストンバッグを持ったAが珍しく言葉に詰まった。
「……そろそろかな、と思うので今回は早めにお邪魔することにしました」
お頭の部屋をちらりと見て肩を竦めながらそう言ったAの言葉を少し考え合点がいったところで、無礼を詫びた。
「……まぁ、どっちにしろあの騒ぎじゃAもゆっくり寝られなかっただろうからな。
今は大人しく寝てるが数日はあの状態が続く可能性もあるし、ある意味タイミングが良い」
俺達には手も足も出るし滅多に出さない怒気のある声で容赦なく暴言を浴びせてくるが、Aには気付かれたくなくて声を押し殺していたのだ。
俺が部屋に入った時点でAの所在を聞くだけの気力は残っていたらしいが、医務室にいると告げた時のホッとした顔はやけに目に焼き付いていた。
「……私のことは気付いてますかね？」
「痛みでかなり錯乱していたから今のところは誤魔化せる」
「じゃあ、私は部屋に戻ってすぐ医務室に行ったことにしておきましょう。
ドクターにも口裏を合わせてもらうように伝えておきます」
「……面倒をかける」
「いいえ、私の方がいつも皆さんに助けられてますから」
おやすみなさい、とお辞儀をして医務室に向かったAを見送りながら煙草に火をつけた。
お頭が万全の状態になるまでどれくらいの日数がかかるか分からない。
明日にはケロッとしているかもしれないし、一ヶ月以上悩まされるかもしれない。
幻肢痛とはそれだけ厄介なものであることを俺達は知っているが、お頭はそれをAに悟られたくないのだ。
だが、気付いたのはAだ。
そしてお頭が苦しむ姿を隠したがっていることを察したAは俺に声をかけ、体調を理由に自室から離れお頭と距離を取るというフォローまで完璧で脱帽である。
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ちょこ(プロフ) - kaito11さん» ありがとうございます！引き続き続編もよろしくお願い致します！ (5月6日 22時) (
レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
kaito11 - この作品大好きです！これからも更新楽しみにしています！ (4月28日 18時) (レス) @page50 id: a5ae7a5cae (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - NATSUさん» いつもありがとうございます！ (2023年4月15日 17時) (レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
NATSU(プロフ) - 続きがとても楽しみです。 (2023年4月14日 22時) (レス) @page45 id: 01b4412dd0 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 白雪さん» 初めまして、大好きと言って頂けて本当に嬉しいです。更新の励みになりました！ (2023年2月27日 21時) (レス) @page28 id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちょこ | 作成日時：2022年12月18日 19時
