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翌朝、宿で朝食を済ませシャンクスと共に港へ向かえばサラちゃんが私のパーカーを着て待っていた。
どうやら私のパーカーはもう彼女の物になってしまったようだ。
「おはよう、早起きだね」
「……おはよう」
私が着てもオーバーサイズのパーカーは、サラちゃんが着るとワンピースになってしまっていて思わず笑みが溢れた。
「サラちゃん、最後に髪結っても良いかな？」
挨拶したっきり俯いたままのサラちゃんに私が声をかけると、パッと顔を上げ小さく頷いた。
近くの樽にサラちゃんを座らせ、柔らかい髪をそっと手にとり丁寧に片側の髪を編み込んでいく。
半分ほど編んだところで島の名産であるレースのリボンを取り出し、髪留めとして結んだ。
「出来上がり」
「わぁ、かわいい」
嬉しそうなサラちゃんが可愛くてしょうがなかった。
「Aくん、本当に行っちゃうの？」
泣きそうな声で私を引き留めようとするサラちゃんを見て、この一週間が頭に過った。
街の人もとても良い人ばかりで、ここで暮らせたら毎日楽しいだろうなとは思うことは何度かあったのだ。
それでも、私はジェシカさんと出会った島を出ると決めた時から気持ちは何一つ変わっていなかった。
例え明日命を落とすことになっても、私は彼らと海へ出ると決めているのだ。
「……サラちゃんが有名なパティシエになって新聞に載るのを楽しみにしてるよ」
まっすぐサラちゃんを見つめながらそう言うと、大きな瞳からポロポロと涙を溢してしまった。
「Aくんが大好きな、チョコレートのお店を作るから」
「うん」
「約束、忘れないでね？」
「忘れないよ」
私の返事に笑顔を見せたサラちゃんに微笑み返すと、シャンクスにそろそろ船に乗っておけと声をかけられた。
「サラちゃん、元気でね」
「Aくんも」
最後にぎゅっとハグをしてから船に乗り込むと船縁から顔を出した。
リコちゃんや街の人も何人か見送りに来てくれていた。
積み荷を終えタラップも外されると、シャンクスの掛け声によって帆が張られ出港の準備が進められていく。
「行くぞ」
再びかけられた声によってゆっくり動き始めた船は少しずつダンテル島を離れていった。
何度も私の名前を呼びながら手を振ってくれるサラちゃんに手を振り返しながら、彼女の幸せと夢が叶うよう心から願ったのだった。
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ちょこ(プロフ) - kaito11さん» ありがとうございます！引き続き続編もよろしくお願い致します！ (5月6日 22時) (
レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
kaito11 - この作品大好きです！これからも更新楽しみにしています！ (2023年4月28日 18時) (レス) @page50 id: a5ae7a5cae (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - NATSUさん» いつもありがとうございます！ (2023年4月15日 17時) (レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
NATSU(プロフ) - 続きがとても楽しみです。 (2023年4月14日 22時) (レス) @page45 id: 01b4412dd0 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 白雪さん» 初めまして、大好きと言って頂けて本当に嬉しいです。更新の励みになりました！ (2023年2月27日 21時) (レス) @page28 id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちょこ | 作成日時：2022年12月18日 19時
