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「この桜並木が満開になる頃にはセレッソルスが散り始めるんだっけ？」
「長くてもあと3〜4日ってとこだな」
「寂しいね」
「そうだな」
「絵や写真に残しておいて何度も思い出したい景色だよ」
どこか遠い目で桜を眺めるAの横顔はとても綺麗だった。
「シャンクスは桜が一番美しく見える瞬間っていつだと思う？」
「そうだな……
辺り一体が満開の桜の木で埋め尽くされてる光景を初めて見たときは驚いたな。
Aは？」
「私はね、散り始めが一番美しいと思う」
目を細めまだ芽吹き始めたばかりの桜を眺めるAには、散っていく桜の花びらが思い浮かんでいるのだろう。
焦がれるようなその瞳が桜に注がれているのが羨ましくて、まだ咲いてもないのに嫉妬しているなんて馬鹿馬鹿しくて誰にも言えないなと思った。
絡まれていたAが俺を見つけホッとした時のような瞳を向けてほしい。
あれが食べたい、これが欲しい、と懇願されたい。
もっと、頼られたい。
そんなどうしようもない思いが日に日に強くなっているなんて、口が裂けてもAには言えないというのに。
「散り始めか……
よし、今回はちゃんと意識してみよう」
「感想教えてね」
「ああ」
「あれ？もう一周したみたい。
まだ咲く前だから思ってたより早く歩いてたのかも」
Aと話しているうちにいつの間にかぐるっと一周してしまったらしい。
外でまた宴を始めた仲間達の騒がしい声が聞こえてきた。
「ねぇ、ワノ国のお侍さんの話の続きが聞きたいな」
「確か白ひげの船でワノ国を飛び出したおでんさんが世間を賑わせてたってとこまで話したんだったな」
「まだまだ序盤なんでしょ？」
「ああ、まだ俺と出会う前の話しかしてない」
「それは先が長そうだ」
クスクス笑うAをセレッソルスの近くに設置してあるベンチに座らせると、隣に腰かけた。
俺達に気付いたやつが次々に飯や酒を持ってくるので、持ちきれなくて簡易テーブルまで用意された。
「寒くないか？ホットワインでも飲むか？」
「お願いしようかな」
「ちょっと待ってな」
「昼から飲む酒はうまいぞ」
「知ってる」
ホットワインを受け取ったAと乾杯すると、いつの間にか周りに集まって飲み始めた仲間達の前でおでんさんと出会った日のことを話し始めたのだった。
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ちょこ(プロフ) - kaito11さん» ありがとうございます！引き続き続編もよろしくお願い致します！ (2023年5月6日 22時) (
レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
kaito11 - この作品大好きです！これからも更新楽しみにしています！ (2023年4月28日 18時) (レス) @page50 id: a5ae7a5cae (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - NATSUさん» いつもありがとうございます！ (2023年4月15日 17時) (レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
NATSU(プロフ) - 続きがとても楽しみです。 (2023年4月14日 22時) (レス) @page45 id: 01b4412dd0 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 白雪さん» 初めまして、大好きと言って頂けて本当に嬉しいです。更新の励みになりました！ (2023年2月27日 21時) (レス) @page28 id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちょこ | 作成日時：2022年12月18日 19時
