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数日後、リブロ島という島に着いた。
世界中からたくさんの本が集まる大きな図書館が有名な観光地らしい。
本屋もたくさんあるらしいので、とても良い時間を過ごせそうだった。
「A、待たせたな」
「もう大丈夫なんですか？」
「最低限のことは済ませたから問題ない」
食堂に迎えに来てくれたベックさんの返事を聞いて立ち上がる。
「A、酒場で待ってるからな」
「うん、また後でね」
シャンクスに手を振って食堂を出ると、そのままベックさんと一緒に船を降りた。
何軒か本屋を巡り、5冊の本を買ってもらうことにした。
数を決めなければ何冊も買ってしまいそうなベックさんに、あらかじめ厳選してくれとお願いしておいたのだ。
5冊目の本の会計を待つ間に店内のレイアウトを眺めていると、児童向けの物語が並ぶコーナーに一際目立つポップが貼ってあるのが気になり棚に向かった。
旅人シリーズと呼ばれる複数の本のあらすじをパラパラと読んでいて、私はある事に気付いてしまった。
冒険家によって書かれたその本には、立ち寄った島で目にした珍しい技術や女の子が憧れるようなラブストーリーなどたくさんの話があり、老若男女様々な主人公が登場する。
ただ、その主人公というのがその島に生まれ育った人ではなかったのだ。
旅の途中でその島を気に入り暮らすようになった人や、人攫いから逃げて保護された人として描かれていた。
何故彼らに故郷がないかは描かれていなかったが、この世界で故郷を失う人は珍しくないので誰も気にしないのだろう。
だから私の気にしすぎかもしれない。
ただ漠然と、作者もこの主人公達も“私と同じ”かもしれないと感じただけ。
もちろん全く検討違いの可能性の方が高いだろうが。
作者の冒険家はもう亡くなっていてどういう意図でこの作品を描いたのかを確かめる術はないし、シリーズは人気の完結作として扱われている。
「神隠し……いや、
ふと身の上を振り返ってみても、何がきっかけだったのかはサッパリ分からない。
元の世界での私の存在がどうなっているのか。
私にそれを確かめる術はないし、元の世界に戻ることもきっと出来ない。
それだけは何となく分かったが、果たして私がこの世界に呼ばれた意味はあるのだろうか。
そんなことを考えている私をベックさんが見つめていたと気付くのは、10分後のことであった。
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ちょこ(プロフ) - kaito11さん» ありがとうございます！引き続き続編もよろしくお願い致します！ (2023年5月6日 22時) (
レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
kaito11 - この作品大好きです！これからも更新楽しみにしています！ (2023年4月28日 18時) (レス) @page50 id: a5ae7a5cae (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - NATSUさん» いつもありがとうございます！ (2023年4月15日 17時) (レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
NATSU(プロフ) - 続きがとても楽しみです。 (2023年4月14日 22時) (レス) @page45 id: 01b4412dd0 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 白雪さん» 初めまして、大好きと言って頂けて本当に嬉しいです。更新の励みになりました！ (2023年2月27日 21時) (レス) @page28 id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちょこ | 作成日時：2022年12月18日 19時
