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ヴィダニエヴェ島を出て一ヶ月が経った。
二週間も滞在したせいか、俺達を狙う海賊や海軍が昼夜問わず頻繁に現れ乱闘の日々だった。
潰した敵船から諸々調達しているので食料などに困ることはなかったが、Aはしばらく船内生活を強いられているにも関わらず文句の一つも言わなかった。
敵襲が落ち着くまではあまり外に出ない方が良いと言われ大人しく従うAを不満そうに見るお頭は、ある日食堂に集めた俺達の頭を悩ませた。
「Aに我が儘を言わせるにはどうしたら良いと思う？」
「「「………は？？？」」」
「Aはもう一ヶ月も船内から出てないんだぞ？」
「……まぁ、そうだな」
「島にも降りてないから買い物も出来ないし、食べたいものがあればルウに作らせるって言ってんのに“いつも美味しいから大丈夫”としか言わない」
「「「………」」」
「5分だけでも外に出ないかって誘ってるのに断るんだ」
お頭の言葉を聞いて流石に俺達も考え込んでしまった。
Aはああ見えて良い歳した大人なのだ。
分別をわきまえているし、子供のように駄々をこねることなどない。
我が儘ばかりのお頭とは違う。
ただ、
Aが代わり映えのない空を楽しそうに眺めたり頬を撫でる風に気持ち良さそうにしている姿を見て、俺達が癒されているのも事実であった。
それが満足に出来なくても文句は言わないどころか、戦闘続きで気の立っている俺達を刺激しないようにいつも以上に静かに大人しく過ごしているのだ。
「いつの間にか掃除したり、手当てまでしてくれるようになってる」
「気付いてたか」
「当たり前だろ」
船内で迷わなくなった頃から、Aはお頭が起きてこない午前中を狙って毎日少しずつ手の届く範囲を掃除するようになっていた。
医務室に籠るときはホンゴウの手伝いをすることもあるらしく、いつの間にか軽い傷の手当てもしてくれるようになっていた。
「……まぁ、そろそろ女から可愛くねだられたいのは事実だな」
「いや、言い方」
すかさず突っ込んだヤソップとじっと俺を睨むお頭を一瞥し、ふぅと煙を吐き出した。
「……そうだな、じゃあ罰ゲーム有りのゲームでもするか」
首を傾げるお頭達に、ゲームで1位になった奴がビリに何でも命令出来るルールでも付ければ良いと説明してやる。
「なるほど」
「Aは絶対にビリにならないように。適度に俺達が勝ちながら何度かAを1位にさせれば良い」
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ちょこ(プロフ) - kaito11さん» ありがとうございます！引き続き続編もよろしくお願い致します！ (5月6日 22時) (
レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
kaito11 - この作品大好きです！これからも更新楽しみにしています！ (2023年4月28日 18時) (レス) @page50 id: a5ae7a5cae (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - NATSUさん» いつもありがとうございます！ (2023年4月15日 17時) (レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
NATSU(プロフ) - 続きがとても楽しみです。 (2023年4月14日 22時) (レス) @page45 id: 01b4412dd0 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 白雪さん» 初めまして、大好きと言って頂けて本当に嬉しいです。更新の励みになりました！ (2023年2月27日 21時) (レス) @page28 id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちょこ | 作成日時：2022年12月18日 19時
