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「2週間あっという間だったね」
「そうだな」
あれからもたっぷり花見を楽しんだ俺達はつい先程ヴィダニエヴェ島を出港した。
散り始めた桜に囲まれ青々としたセレッソルスがポツンと真ん中に見える。
「あんなスピードで花が開くなんて、不思議な島だったな」
甲板から島を眺めながらクスクス笑うAはこの2週間を振り返っているのだろう。
「楽しかったか？」
「とっても！連れてきてくれてありがとう」
桜であれだけ喜んだAをワノ国に連れていってやりたいところだが、情勢を聞いて流石にそれは無理だと分かっているようだった。
それでも、ふとした瞬間に故郷に思いを馳せるAを見て何も思わないわけじゃなかった。
A自身はもう戻れないと思っているのか、帰りたいとも言わないし帰り方を探そうともしない。
流れに身を任せて日々を過ごすAは、時が来れば簡単に俺の元から去ってしまうだろう。
Aは俺達とは違う。
海賊や争い事とは無縁の世界で、誰かに愛されながら穏やかに幸せに生きる女だ。
この世界で戦う術を持つ女は少なくないが、力のない女の方が圧倒的に多い。
だからこそ欲しいものはどんな手を使っても手に入れる俺達が唯一“女”だけは、手に入れても手元には置かないことがほとんどだった。
ヤソップのように妻子を陸に残してでも海に出てしまうのが俺達なのだ。
Aにはそんな二度と会えるかどうかも分からない男を待ちながら過ごして欲しくない。
俺がAを気になるのは、右も左も分からない世界で日々を懸命に生きる姿が太陽のように眩しいからだ。
「……太陽は独り占め出来ないよなぁ」
ぼそりと呟いた自分の言葉に苦笑いしながら、何か言った？と首を傾げるAに何でもないと返事をした。
Aだけは、好きになってはいけないのだと頭の中で言い聞かせながら。
「A、今日は何する？」
「そうだなぁ……お喋りは花見しながらたくさんしたし、今日はトレーニングしよ！」
「おっ、久しぶりだなぁ」
「筋トレは続けてるから少しずつ回数増やしてるんだよ」
「少しは筋肉ついたか？」
「皆みたいになるには食べるものも気をつけて管理しないと無理だよ」
「俺達くらい筋肉ついたAはちょっと想像出来ないなぁ」
「想像するだけ時間の無駄！」
雑談しながら始めた俺達の筋トレに、船員が一人また一人と加わっていくのはこの数分後のことだった。
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ちょこ(プロフ) - kaito11さん» ありがとうございます！引き続き続編もよろしくお願い致します！ (2023年5月6日 22時) (
レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
kaito11 - この作品大好きです！これからも更新楽しみにしています！ (2023年4月28日 18時) (レス) @page50 id: a5ae7a5cae (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - NATSUさん» いつもありがとうございます！ (2023年4月15日 17時) (レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
NATSU(プロフ) - 続きがとても楽しみです。 (2023年4月14日 22時) (レス) @page45 id: 01b4412dd0 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 白雪さん» 初めまして、大好きと言って頂けて本当に嬉しいです。更新の励みになりました！ (2023年2月27日 21時) (レス) @page28 id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちょこ | 作成日時：2022年12月18日 19時
