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「ベックマンが母ならお頭はやっぱりオヤジか……？」
「何でだよ」
「「「尻に敷かれてる感じが」」」
「敷かれてねぇよ！！」
長男は誰だ次男は誰だ、と家族会議が始まったのを微笑ましく思いながら眺めていると隣にベックさんが腰かけた。
シャンクスは相変わらず自分をからかう船員とじゃれあっている。
「奥さん、おたくの旦那が暴れてますよ」
「勝手にやらせとけ」
ふぅと煙を吐き出しながら気だるげに返事したベックさんの色気の凄まじさに圧倒されて、思わずガン見してしまった。
指に挟んだ煙草をゆっくり口に運びながら一瞬表情を和らげた彼が見すぎ、と笑った。
「惚れたか？」
「遠巻きにベックさんを見つめてる女性が何人か」
肩を竦めながら答えればベックさんは知ってる、と面白そうに笑った。
こんな色気と優しさの暴力を間近で見せつけられて正気でいられる女性は少ないだろう。
自分の顔やスタイルの良さも、言葉の紡ぎ方ひとつですら全て計算し尽くされているに違いない。
驚くほど賢いベックさんにとっては、女性達との戯れなんて息をするより簡単なのだろう。
「なるほど、これは女性達がほっとかないわけだ」
「Aは構ってくれないのか」
「もう手一杯なので」
「ハハッ、違いねぇ」
私の視線の先にいるシャンクスを見て至極楽しそうに声を殺してクックッと笑うベックさん。
そんな無邪気な笑い方もするんだなぁ、また誰かこのギャップに落ちただろうなぁ、と思いながらとっくに冷えたワインを飲み干した。
「同じので良いか？」
「はい、ありがとうございます」
マグカップを持って行ったベックさんと入れ替わりでシャンクスが隣に腰かけた。
「おたくの奥さん、戯れで自分に惚れさせようとするの止めさせた方が良いですよ」
「あれは割り切れる相手を見極めてやってるからタチが悪い」
「止めはしないと？」
「あの女好きを止める？やめとけ、時間のムダだ」
「最後は絶対に自分の元に戻ってくると分かってるからって好きなように泳がせるなんて……
なかなかぶっ飛んだ夫婦ですね」
「「もう勘弁してくれ」」
シャンクスと戻ってきたベックさんが綺麗にハモった。
「こんな厳つい嫁はいらん」
「その言葉そっくりそのままお頭に返す」
あははと笑いながら受け取ったワインはこれで4杯目なので、そろそろボトルが空く頃だろう。
私もそれなりに酔っぱらっているらしい。
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ちょこ(プロフ) - kaito11さん» ありがとうございます！引き続き続編もよろしくお願い致します！ (5月6日 22時) (
レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
kaito11 - この作品大好きです！これからも更新楽しみにしています！ (2023年4月28日 18時) (レス) @page50 id: a5ae7a5cae (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - NATSUさん» いつもありがとうございます！ (2023年4月15日 17時) (レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
NATSU(プロフ) - 続きがとても楽しみです。 (2023年4月14日 22時) (レス) @page45 id: 01b4412dd0 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 白雪さん» 初めまして、大好きと言って頂けて本当に嬉しいです。更新の励みになりました！ (2023年2月27日 21時) (レス) @page28 id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちょこ | 作成日時：2022年12月18日 19時
