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「完成〜！」
「わぁーい……」
食堂に戻れば、満面の笑みで両手を上げてジャンプする少女とぐったりしたAを困ったように見守るベック達がいた。
「何の騒ぎだ？」
「お頭か」
「戻ってこないかと思ったぜ」
「はぁ？」
「良い女でもいたかって話してたんだよ」
「ばっ！！ちげぇよ、野暮用だ！！」
まさかAの前でそんな話をしたんじゃないだろうな、と睨めば全員が顔を反らしたので頭を抱えた。
痛む頭を押さえながら俺が食堂を出てから何があったか説明を求めれば、つい先程までAがこの娘とお菓子作りをしていたのだという。
「思っていたより重労働だった……」
「ごめんなさいね、この子ったらパティシエになるのが夢らしくてお菓子作りには妥協しないから」
「いえ……サラちゃん、これ貰ってくれる？」
「え？」
「こんなに上手く作れたのはサラちゃんのおかげだから、お礼だよ」
にっこり笑うAに少女は嬉しそうに頷き、可愛くラッピングされた袋を受け取った。
「じゃあAくんにはサラが作ったのあげる」
「わぁ、いいの？ありがとう」
受け取った袋の匂いをかいで美味しそうだね、と嬉しそうに笑ったAを少女がじっと見つめた。
「サラは大きくなったらお菓子作る人になるの」
「うん」
「もっと上手になって、いつかお店を開くの」
「凄いね」
「そしたらサラをAくんのおよめさんにしてくれる？」
「……なんて？？」
「もう、サラったら……」
Aは頭を抱える少女の母とキラキラした目で自分を見上げる少女を、きょとんとした顔で見返していた。
「サラがゆうめいなお菓子屋さんになってかせぐから、Aくんはとなりでおいしそうにお菓子食べてくれる？」
「なんて男前な発言」
「本当に有言実行しそうだな」
「ガキの行動力えげつねぇな」
少女が女であるAにプロポーズするという不思議な状況の中、Aは少し考えてから少女の両手を取った。
「結婚の約束は出来ないけど、サラちゃんの作るお菓子の一番のファンになるよ」
「……サラ、すごくゆうめいになるよ」
「海の先までサラちゃんの名前が届くくらい有名になってよ」
「そしたら、サラにひまわりくれる？」
「サラちゃんは向日葵が好きなの？」
「Aくんの笑った顔が、ひまわりみたいだから欲しいの！」
少女の言葉に一瞬驚いた顔をしたAは笑顔で約束する、と指切りした。
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ちょこ(プロフ) - kaito11さん» ありがとうございます！引き続き続編もよろしくお願い致します！ (5月6日 22時) (
レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
kaito11 - この作品大好きです！これからも更新楽しみにしています！ (2023年4月28日 18時) (レス) @page50 id: a5ae7a5cae (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - NATSUさん» いつもありがとうございます！ (2023年4月15日 17時) (レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
NATSU(プロフ) - 続きがとても楽しみです。 (2023年4月14日 22時) (レス) @page45 id: 01b4412dd0 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 白雪さん» 初めまして、大好きと言って頂けて本当に嬉しいです。更新の励みになりました！ (2023年2月27日 21時) (レス) @page28 id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちょこ | 作成日時：2022年12月18日 19時
