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Aが店の奥でジェシカと話している間、手持ち無沙汰になった俺はまた髭を整えてもらった。
しばらくして戻ってきたAは何かを抱えていて、笑顔でジェシカに挨拶すると俺に声をかけ店を出た。
歩きながらチラチラと俺の顔を見てくるAの視線が気になって声をかけると、気まずそうに口を開いた。
「……毎日面倒だと思いますけど、そうやって整えるか無くした方が格好良いですよ」
髭のことを指摘され思わず手で顎を触った俺にクスクス笑ったAが何か言いたげな顔でふと立ち止まった。
「どうした？」
「シャンクス、明日……私もまた船に乗せてもらえますか？」
「……ジェシカにも誘われてたんだろう？良いのか？」
「はい」
あの日、光を失った瞳から涙を流していたAはもう何処にもいなかった。
「皆さんのために、ここで降りた方が良いのは分かってるんですけど……
でも、シャンクスが話してくれた冒険の数々が夢みたいで。
この世界は私の理解を超える不思議なもので溢れてるから、
それを……
もう少しだけ、見て回りたいんです」
俺を真っ直ぐ見つめてくる黒い瞳が宝石のようにキラキラ輝いていて、その輝きに吸い込まれるような気がして胸がドクンと鳴った。
「無理にとは言いません。シャンクスが駄目だと言うなら諦めます」
「……次の島に着くまで無事でいられる保証はないぞ？」
「それが私の運命だったってことです」
「……後悔はしないか？」
「はい」
Aからは何が起きても受け入れる、そんな意志の強さを感じた。
「ジョーさんのいる島まで、私を連れていってください」
お願いしますと深く頭を下げたAを見つめながら、俺はまだAと一緒に旅が出来ることにホッとしていた。
「まだまだ先は長いぞ」
ぽつりとそう呟けば、Aはパッと顔を上げ嬉しそうに礼を言った。
酒場で合流した仲間達にAも連れていくことを伝えれば、申し訳なさそうに自分を見つめる視線に気付いたベックが眉間に皺を寄せたまま小さくため息をついた。
「……良いんだな？」
「はい」
自分の問いかけに真っ直ぐな瞳で頷いたAを見て、ベックはそれ以上何も言わずに煙草に火をつけた。
「島で最後の夜だ、飲むぞ！」
「二日酔いで動けなくなるまで飲むなよ」
おー！と返事する仲間達とベックの小言に楽しそうに笑うAを見て、幸せだなと感じた。
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ちょこ(プロフ) - planetbluep379さん» ありがとうございます！月末までバタついているので更新遅くなりますが気長にお待ちくださいませ🙇♀️ (2022年9月15日 10時) (
レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
planetbluep379(プロフ) - 続き待ってました✨嬉しい！頑張ってください😁 (2022年9月14日 9時) (レス) @page43 id: 6277eb3c9f (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - シンヤさん» ありがとうございます！ (2022年9月6日 16時) (レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
シンヤ(プロフ) - 続きとても楽しみにしています😊 (2022年9月6日 0時) (レス) @page39 id: 42d6be6a70 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 白雪さん» はじめまして、コメントありがとうございます。お話は順次公開していきますので気長にお待ちください🙏 (2022年9月2日 17時) (レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちょこ | 作成日時：2022年7月7日 23時
