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「ちょっと俺の部屋に来ないか？」
「はい」
頷いた私を見て自分で誘ったくせに複雑そうな顔をするシャンクス。
この世界のことを教えてほしいと言った私に何か見せたりするのに部屋へ呼んだのだと思ったが、違うのだろうか。
「……あ！えっと、誰にでもすぐ着いていくわけじゃないですよ？」
「……なら良いんだが」
思い当たった結論に慌てて弁明すれば苦笑いされた。
「約束してくれたじゃないですか」
「海賊が約束を守ると思うなよ」
「それは……そうですね、気をつけます」
シャンクスは正しい。
きっとこの世界において海賊の言うことなど信用してはいけないのだ。
「でもシャンクスが約束を破るような人ではないと思うし、昨日だって雑魚寝までしておいて何もなかったんですよ？」
「信用してくれるのはありがたいが……男がいつ何処でその気になるか分からないと思っておけよ」
「……肝に命じます」
ようやくジト目から解放された私は自室へ向かうシャンクスの後を歩きながら頭を悩ませた。
シャンクスだって気付いてるはずだ。
私には圧倒的に男女の経験も足りないし、駆け引きなんて出来ないと。
初めて恋人が出来たのも社会人になってからだが、正直なところ付き合った相手ともあまり良い思い出はなかった。
きっと若いうちから相手に困らなかったであろうシャンクスと、私とでは何もかもが違う。
あの日の私のように今もどこかで虐げられている人がいるであろうこの世界で生きていくなら、どんなに理不尽なことが起きても受け入れるしかないのだろう。
殴られ抱かれるだけで殺されないのなら、気に入られるように振る舞えば良いのだから。
だって、天竜人の所業はもっと恐ろしいものだった。
刃物で切られても銃で撃たれても、命ある限りは棄てられるまで永遠に彼らのオモチャだ。
そこに私の意思や人権なんて存在しない。
説明してくれたシャンクスは青ざめた私を見て申し訳なさそうな顔をしたし、そんな私達を見てベックさんも何とも言えない顔をした。
つまりは、それがこの世界の“常識”の一つ。
だけどもし私がそんな状況に陥って死を望んでも、誰かに殺されたり自分で命を経つくらいなら、やっぱりシャンクスの手で終わらせて欲しい。
そんなことをグルグルと考えていると、いつの間にかシャンクスの部屋に辿り着いていた。
そして迎え入れられるままに足を踏み入れてしまい、また怒られたのだった。
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ちょこ(プロフ) - planetbluep379さん» ありがとうございます！月末までバタついているので更新遅くなりますが気長にお待ちくださいませ🙇♀️ (2022年9月15日 10時) (
レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
planetbluep379(プロフ) - 続き待ってました✨嬉しい！頑張ってください😁 (2022年9月14日 9時) (レス) @page43 id: 6277eb3c9f (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - シンヤさん» ありがとうございます！ (2022年9月6日 16時) (レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
シンヤ(プロフ) - 続きとても楽しみにしています😊 (2022年9月6日 0時) (レス) @page39 id: 42d6be6a70 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 白雪さん» はじめまして、コメントありがとうございます。お話は順次公開していきますので気長にお待ちください🙏 (2022年9月2日 17時) (レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちょこ | 作成日時：2022年7月7日 23時
