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「Aは来ないって？」
「もう遅いから、と」
船員の報告を聞いて明らかにテンションの下がったお頭にどうしたもんかと考える。
それなりに栄えていて治安も悪くはなさそうな街に一緒に出掛けようとして、昼寝してしまったAを起こせず酒場で飲みながら起きてくるのを待っているところだった。
既に日も暮れてしまったし久しぶりの上陸に色々気を使ってくれたのだと思うが、お頭にはそんなこと関係ない。
この島を出たら次いつまた女を抱けるかも分からないのだが、今は女を抱くことよりAと過ごす方が大事らしい。
その証拠に今も隣で相手にして欲しそうにしている女達に見向きもしない。
「今夜は俺達が女を抱くと思って遠慮してるんじゃないのか？」
「あぁ……なるほど」
お頭はヤソップの言葉にハッとし苦い顔をした。
「わざわざ夜に出歩かせなくても良いだろう」
「……そうだな」
女好きな上にモテるお頭は島に降りても女に困った姿など見たことないし、それなりに欲だって強い方だと思うが、どうやら今夜は本当に女を抱く気がないらしい。
黙りこんだお頭はしばらく大人しく飲んでいたが、30分も経たないうちに酒場を後にした。
船に戻るお頭を追いかけた俺は少し後ろをゆっくり歩く。
「お前も戻るのか？」
「あんたが無事に船に戻るのを見届けたら好きにするさ」
「そうか」
飲食店が賑わう街並みは心地よい喧騒に包まれており、争い事もなく平和だった。
「ようやくAに服とか買ってやれるな」
お頭はとっくに明かりの落ちた洋服店のディスプレイを眺めながら呟いた。
「いつまでも俺達のお古を直した服や急ごしらえの靴じゃ辛いだろう」
小柄なAが俺達の服を着れるわけがなく、手直しをして何とかしていた。
あれだけ気の遣えるAが今さら女物の服を欲しがるとは思えないが、サイズの合った服を着せてやりたいとは思う。
数分後、俺達が船に戻るとドクターが驚いたように話しかけてきた。
「今日は戻らないと思ったが」
「……ちょっとな」
お頭の歯切れの悪い答えにドクターは持っていたマグカップを渡す。
「Aに持っていってやってくれ」
「……」
お頭はドクターが引かないことが分かると、受け取ったマグカップを持ち医務室へ向かった。
「……世話が焼けるな」
お頭の後ろ姿を見送った俺達は同時にため息をついたのだった。
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ちょこ(プロフ) - planetbluep379さん» ありがとうございます！月末までバタついているので更新遅くなりますが気長にお待ちくださいませ🙇♀️ (2022年9月15日 10時) (
レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
planetbluep379(プロフ) - 続き待ってました✨嬉しい！頑張ってください😁 (2022年9月14日 9時) (レス) @page43 id: 6277eb3c9f (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - シンヤさん» ありがとうございます！ (2022年9月6日 16時) (レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
シンヤ(プロフ) - 続きとても楽しみにしています😊 (2022年9月6日 0時) (レス) @page39 id: 42d6be6a70 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 白雪さん» はじめまして、コメントありがとうございます。お話は順次公開していきますので気長にお待ちください🙏 (2022年9月2日 17時) (レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちょこ | 作成日時：2022年7月7日 23時
