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医務室へ戻るとドクターが新聞を読んでいるところだった。
カサッ
「何か落ちましたよ」
落ちた紙を拾って渡そうとして、思わず固まった。
大きく“WANTED”と書かれた文字にハッキリと載った顔写真。
“DEAD OR ALIVE”の文字と数字が示すその紙は間違いなく手配書だった。
ごく普通の一般人である私には、生死を問わない旨が記載されたその紙に形容しがたい恐ろしさを感じた。
「どうした？」
見知らぬ人の手配書に固まった私を不思議に思ったらしいドクターが声をかけてきてハッとした。
「……あ、これを」
手配書を渡すとドクターはさっと見てすぐに裏返した。
「私、早起きしすぎしちゃったのでちょっと横になりますね」
静かに頷いたドクターはまた新聞を読みはじめ、私もそれ以上何も言わずにベッドに潜り込んだ。
目を覚ました時にはもうすっかり日が落ちた後だった。
「うわあ……寝すぎた」
寝すぎて頭がぼーっとしたままぼんやりと窓を眺めていると、いつもと違う景色に首を傾げた。
「……夜景？」
「起きたか？」
声をかけられ振り向くとドクターが苦笑いしていた。
「島に着いたが降りるか？」
「……いえ、今日はもう遅いので」
「腹減ったろ？温かいスープでも持ってくるからちょっと待ってろ」
私が頷いたのを見るとドクターは出て行った。
柔らかい明かりが生み出す夜景を窓から眺めながら、シャンクスやベックさんはもちろん、他の船員の手配書もあるんだろうなと思った。
私には優しくても、世間から見た彼らは海賊という恐ろしい存在なのだ。
私はもっと彼らやこの世界を知る必要がある。
言葉は通じるし文字も読めるが、通貨はもちろん物の価値や値段が同じとは限らない。
既に夜だし久しぶりの上陸で盛り上がってるところを邪魔したくないと思って遠慮したが、これからのことを考える良い機会になった。
やっぱりシャンクスには全て話そう。
ベックさんにはもちろん伝わるだろうが、他の人に話すべきかどうかはシャンクスの判断に委ねた方が良さそうだ。
私にとっては摩訶不思議なこの世界に生きる彼らなら、異世界やパラレルワールドの存在くらいさらっと受け入れてくれるだろうが、わざわざ余計な火種を作る必要はない。
もし理解されなくてもずっとこの船にお世話になるわけではないし、問題はないだろう。
「ここが私でも暮らしていける島だったら……」
その先は言葉にはならなかった。
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ちょこ(プロフ) - planetbluep379さん» ありがとうございます！月末までバタついているので更新遅くなりますが気長にお待ちくださいませ🙇♀️ (2022年9月15日 10時) (
レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
planetbluep379(プロフ) - 続き待ってました✨嬉しい！頑張ってください😁 (2022年9月14日 9時) (レス) @page43 id: 6277eb3c9f (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - シンヤさん» ありがとうございます！ (2022年9月6日 16時) (レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
シンヤ(プロフ) - 続きとても楽しみにしています😊 (2022年9月6日 0時) (レス) @page39 id: 42d6be6a70 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 白雪さん» はじめまして、コメントありがとうございます。お話は順次公開していきますので気長にお待ちください🙏 (2022年9月2日 17時) (レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちょこ | 作成日時：2022年7月7日 23時
