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「アンタも懲りないな」
ベックの小言を聞き流していると、宴の準備が整った頃を見計らって甲板に出てきたドクターに呆れられた。
後ろから大きなクッションを抱えたAが首を傾げながら様子を伺っている。
クッションを落とさないようにぎゅっと抱きしめているAは子供みたいだ。
その姿に毒気を抜かれたらしいベックが煙草を落としそうになっていた。
「お頭ー！準備出来ました！」
「おう、今行く」
返事をして今か今かと待っている仲間の輪に加わる。
顔を見合わせるとグラスを掲げ一言。
「乾杯！」
ちらりとAの様子を伺うとワァッと一斉に盛り上がる仲間達に圧倒されているようだった。
「色々作ったから好きなものを食べろよ」
「うちのコックだ」
「あっ、いつもありがとうございます！」
通りすがりにAに声をかけたコックは、深くお辞儀をして礼を言われ嬉しそうに笑った。
去っていくコックを追いかけ何やら話したあとぺこりとお辞儀してから戻ってきたAは、ドクターと俺の間に置かれたクッションにちょこんと座った。
「Aは酒飲めるのか？」
「……少しなら大丈夫かと」
「じゃあ今度一緒に飲もうな」
「朝までお頭に付き合う必要はないからな」
「分かりました、飽きたら寝たフリします」
横からピシャリと言い捨てたベックに真面目な顔で頷き返すAにドッと笑いが起こる。
すぐ寝るに一票！などと俺をからかう仲間達に反論していると、コックがAにトレーを渡しに来た。
「茶漬けは後で持ってきてやるからとりあえずこれでも食べて待ってろ」
「ありがとうございます、どれも美味しそうですね」
Aはトレーに乗った小鉢に盛り付けられた料理を興味深げに眺めている。
「脂っこいものとかは避けたが食べられなかったら無理せずお頭に食わせて良いからな」
「そうします」
俺に対する雑な扱いにも即座にノッたAを面白いと思った。
「珍しい、あいつもAには甘いのな」
「俺たちには大皿に適当に盛り付けて終わりなのに」
「お前たちは腹に入れば何でも良いと思ってるからだろう」
「確かに」
などと笑いあう仲間達を眺めるAは楽しそうで、賑やかな場が苦手ではなさそうで安堵した。
酒を飲みながら、Aならきっと皆とすぐに打ち解けられるだろうと思うのだった。
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ちょこ(プロフ) - planetbluep379さん» ありがとうございます！月末までバタついているので更新遅くなりますが気長にお待ちくださいませ🙇♀️ (2022年9月15日 10時) (
レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
planetbluep379(プロフ) - 続き待ってました✨嬉しい！頑張ってください😁 (2022年9月14日 9時) (レス) @page43 id: 6277eb3c9f (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - シンヤさん» ありがとうございます！ (2022年9月6日 16時) (レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
シンヤ(プロフ) - 続きとても楽しみにしています😊 (2022年9月6日 0時) (レス) @page39 id: 42d6be6a70 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 白雪さん» はじめまして、コメントありがとうございます。お話は順次公開していきますので気長にお待ちください🙏 (2022年9月2日 17時) (レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちょこ | 作成日時：2022年7月7日 23時
