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翌日、ドクターの許可をもらいAを外に連れ出した俺は東屋で適度に陽にあたりながら今までの冒険の話を面白おかしく話して聞かせた。
楽しそうに聞いてくれるAに免じて、隠れながらかわるがわる様子を伺いにくる仲間達には気付かないフリをした。
「暮れてきましたね」
「……もうそんな時間か」
昼過ぎに連れ出したのにあっという間に過ぎ去った数時間に驚いた。
「私、日が沈むときに海がこんなに紅く染まるところ初めて見ました」
綺麗、と呟きながら夕陽を眺めるAの瞳はキラキラと輝いていた。
こんな何でもない光景に感動しているAを新鮮に思いながら横顔を見つめる。
完全に日が沈むと周りは一気に闇に包まれた。
「中へ戻ろう」
いつまでもここにいるわけにもいかないので船内へ促す。
「……っ」
暗い足元に躓いて転びそうになったAをとっさに支え、体勢を立て直したのを確認してからすぐに手を離した。
「大丈夫か？」
「すみません、ありがとうございます」
掴んだ腕の細さと支えた身体の軽さはすぐに頭から追い払った。
医務室までAを送り届けるとドクターが食事を運んできたところだった。
まだ薄味で消化のよいものしか食べれないAが、別メニューを用意しているコックに申し訳なさそうにしているのを見てあることを思いつく。
「じゃあ食欲が戻ったら一緒に食堂で食べないか？」
「……邪魔じゃないなら、是非」
「約束な、直接礼を言ってやればあいつらも喜ぶよ」
少し考えてから小さく頷いたAにまた明日、と声をかけて俺は医務室を後にした。
「ずいぶん機嫌が良いな」
食堂で仲間達の騒ぎ声をBGMに昼間のことを思い出していると、ベックが声をかけてきたので夕陽を眺めていた時の話をする。
「俺達にとっては当たり前で何でもないことが、Aには珍しかったり感動するものになったりするんだなぁと思って」
「……それだけか？」
「……食欲が戻ったら一緒にここで飯を食う約束をした」
聞くだけ聞いて黙り込んだベックを横目に見ながら、明日はAにどんな話を聞かせようかと記憶を巡らせたのだった。
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ちょこ(プロフ) - planetbluep379さん» ありがとうございます！月末までバタついているので更新遅くなりますが気長にお待ちくださいませ🙇♀️ (2022年9月15日 10時) (
レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
planetbluep379(プロフ) - 続き待ってました✨嬉しい！頑張ってください😁 (2022年9月14日 9時) (レス) @page43 id: 6277eb3c9f (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - シンヤさん» ありがとうございます！ (2022年9月6日 16時) (レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
シンヤ(プロフ) - 続きとても楽しみにしています😊 (2022年9月6日 0時) (レス) @page39 id: 42d6be6a70 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 白雪さん» はじめまして、コメントありがとうございます。お話は順次公開していきますので気長にお待ちください🙏 (2022年9月2日 17時) (レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちょこ | 作成日時：2022年7月7日 23時
