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「……安全な島に送り届けるまで、俺達は許可なくAに触れないしそういう目で見ないと約束する」
成り行きを見守っていた俺達はお頭がそう言ったことで話がまとまったことにほっと胸を撫で下ろした。
何か手伝うことはないかと聞いたAはご飯を食べてゆっくり休むことがあんたの仕事だと言われ、申し訳なさそうにドクターと医務室へ戻って行った。
「まさか髪を切るとは思わなかったな」
「綺麗な髪だったのになぁ」
食堂で酒を飲み始めたお頭は残念そうにヤソップの言葉に同意する。
長い髪を大事にする女は多いし、Aもそういうタイプだと思っていた。
しかし向かい合った二人を見てAの胸の膨らみがないことに気付いた俺は、ある一つの結論にたどり着いていた。
「あんた最初にさっきと同じこと言っただろ」
「ん？」
「俺達が女を意識しないように気を使ってくれてるってことだよ」
「……あぁ、どうりで」
納得したように頷いたお頭が念を押すように絶対に手を出すなよと言った。
「お前ら自分の命は自分で守れよ？
冗談でも俺がAに手をかけなきゃいけなくなるような状況は作るな」
ピリピリと肌に伝わる感覚が、Aに手を出した奴も致命傷を負わせた奴もどうなっても知らない、と言っているようだった。
「……俺達のために自分の命を差し出すなんて普通笑って言えるか？」
お頭はまだ不満げだが、いざとなったら自分を切り捨てろと言ったAは正しい。
俺達が海賊だと明かした時の反応からも、自分の立場がどういうものかよく分かっている。
万が一、自分が人質になってしまった時に俺達がAへの情で手が出せなくなり危ない目にあうことを恐れているのだ。
そしてもうひとつ。
「じゃあ、あんたが望むなら抱かれるって言われた方が良かったか？」
一気に不機嫌になったお頭がジロリと俺を睨んだ。
「空気の読める賢い女だな、あんたがそう言われるのを嫌がると思ってああ言ったんじゃないのか？」
「………」
男所帯の中に女がいる危うさと手を出さないと言ったお頭の言葉をきちんと理解してるからこそ、身体ではなく命を差し出すと言ったのだろう。
酒を一気に飲み干し、はぁーと長いため息をついたお頭はどうやら納得してくれたらしい。
普段からムラのあるお頭の機嫌がすっかりAに左右されてしまっていることに気付き、俺は内心頭を抱えたのだった。
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ちょこ(プロフ) - planetbluep379さん» ありがとうございます！月末までバタついているので更新遅くなりますが気長にお待ちくださいませ🙇♀️ (2022年9月15日 10時) (
レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
planetbluep379(プロフ) - 続き待ってました✨嬉しい！頑張ってください😁 (2022年9月14日 9時) (レス) @page43 id: 6277eb3c9f (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - シンヤさん» ありがとうございます！ (2022年9月6日 16時) (レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
シンヤ(プロフ) - 続きとても楽しみにしています😊 (2022年9月6日 0時) (レス) @page39 id: 42d6be6a70 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 白雪さん» はじめまして、コメントありがとうございます。お話は順次公開していきますので気長にお待ちください🙏 (2022年9月2日 17時) (レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちょこ | 作成日時：2022年7月7日 23時
