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シャンクスさんに連れられて久しぶりに外へ出た私はその眩しさに立ちくらんだ。
海や太陽のにおいを感じながら歩き、たどり着いたのは船首だった。
見渡す限り続く海と空。
本当に何もない海の上にいることを改めて実感した。
船首像を興味深げに眺めているとシャンクスさんが私を見つめていることに気付き、急に恥ずかしくなって肩を竦めた。
ふと風に煽られる帆に気付き目を向けると、真っ白なそれに描かれたドクロが目に飛び込んできた。
「……海賊旗」
そのドクロは彼らが海賊なのだと語っている何よりの証拠だった。
視界の端に入り込む大砲やこの海賊旗に、改めて現実を突きつけられた私はしばらく呆然と海賊旗を眺めていた。
私は海賊旗から目を離し、また何処までも続く海を眺めながら船首像に触れた。
普通の客船と変わらないような気もするが海賊旗や大砲、この船首像が海賊船だと主張している。
シャンクスさん達も、間違いなく海賊なのだ。
私は一つずつこの現実をかみ砕き、受け入れていく。
ふと、吹き抜けた風に舞った髪が邪魔だなと思った。
……いい機会かもしれない。
さらしで胸を潰したのだし、長い髪を切ってしまえばより女である要素は消えるだろう。
「……あの、ナイフかハサミをお借りしても？」
相変わらず私をじっと見つめているシャンクスさんに聞くと、戸惑いながらも船員に声かけ小さいナイフを渡してくれた。
船員からのピリピリとした緊張感を感じてもしかしたらシャンクスさんを傷つけると勘違いされてるかもな、なんて思った。
シャンクスさんはとても慕われ愛されているんだなぁと微笑ましく思いながら髪をまとめだした私は、何をするか気づいたらしいシャンクスさんが止める声を無視して勢いよくナイフで髪を切った。
切り落とした髪を吹き抜ける風に乗せて飛ばすと、あっという間に海へ消えていった。
軽くなった頭と涼しくなった首元に寂しく思いながらも、気持ちは思っていたより晴れやかだった。
ナイフを呆然としているシャンクスさんに返す。
「……綺麗な髪だったのにもったいないな」
「ずっと、切りたいと思ってたんです」
残念そうに言うシャンクスさんには、少しだけ切りたくなかった気持ちがあることを見抜かれているような気がした。
でも、これで良いのだ。
切り落とした髪がとても身体を軽くしてくれた。
この世界で生きていくための、私が生まれ変わるための決意の証だ。
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ちょこ(プロフ) - planetbluep379さん» ありがとうございます！月末までバタついているので更新遅くなりますが気長にお待ちくださいませ🙇♀️ (2022年9月15日 10時) (
レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
planetbluep379(プロフ) - 続き待ってました✨嬉しい！頑張ってください😁 (2022年9月14日 9時) (レス) @page43 id: 6277eb3c9f (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - シンヤさん» ありがとうございます！ (2022年9月6日 16時) (レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
シンヤ(プロフ) - 続きとても楽しみにしています😊 (2022年9月6日 0時) (レス) @page39 id: 42d6be6a70 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 白雪さん» はじめまして、コメントありがとうございます。お話は順次公開していきますので気長にお待ちください🙏 (2022年9月2日 17時) (レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちょこ | 作成日時：2022年7月7日 23時
