亀裂 ページ15
モ「Aちゃん。昨日具合悪かったの？」
翌日、学校で早速影山くんに心配された。
でもごめんね。ズル休みなんだ。
心配してくれているのに申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
『頭痛くて……。でももう大丈夫！』
モ「………ほんとに？」
『う、うん。なんで？』
モ「…実はね。花沢くんから聞いたんだ。Aちゃんが師匠のとこから出てきたってこと」
『っ……』
影山くんは無表情で私を見つめている。
疑ってるんだ。
私が嘘をついてるか。
でも嘘なんて何回もついてる。
『それは……』
モ「どうして師匠のとこにいたの？」
『………』
何も言えずに私は目をそらした。
モ「僕にも言えないようなこと？」
『わ、私は……具合悪くて薬買いに行ってたら、霊幻さんに会って…』
言葉に詰まってしまった。
何を言っても影山くんには嘘に聞こえていそうで。
スラスラと嘘が言えてしまう自分が心底嫌になる。
モ「言いたくないなら言わなくていいよ」
『え…』
影山くんはそう言うと、私に背を向けて離れていく。
『待って！影山くん！』
影山くんはこっちを向かずに立ち止まった。
モ「………僕には何も話してくれないんだね」
そう言われて私は全て手遅れなのだとわかった。
影山くんは私のことをもう信じられなくなっているのだと。
『……しょうがないじゃん』
モ「……？」
影山くんが振り向いた。
でも私は目を合わせない。
いや、合わせられない。
『本当の私を知ったら、どうせ皆離れていくんだから』
私はそのまま教室を出た。
息ができない。苦しい。
モ「え、Aちゃん！」
名前を呼ばれたので私は廊下を走った。
走って走って静かな所に。
最悪だ。初めて影山くんと衝突した。
影山くん怒ってたな。
私が嘘つきだから。
【ほら、だから言ったでしょ】
後ろから声がするがもう私は驚かない。
ゆっくりと後ろを睨む。
クスクスと小さな私が笑っている。
【私の事なんて誰も愛してくれない。だからさ、壊しちゃおうよ】
『うるさい……』
【希望を抱かないで。後で苦しいのは自分だよ】
「あれ、小野寺？何してんだここで授業始まるぞ」
『！！』
はっと気づくと先生がいた。
『っすいません今行きます』
「そういえば昨日も無断で休んだな。具合はもう平気か？ちゃんと連絡はしろよ」
『はい』
そう言って私は先生と教室に戻った。
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桜餅(プロフ) - 暁さん» そう言って頂けると励みになります！嬉しいです！これからもよろしくお願いします！ (2020年3月20日 8時) (
レス) id: b9e517107b (このIDを非表示/違反報告)
暁 - お話がすごく面白くて続きが気になります！更新頑張ってください！楽しみにしてます！！ (2020年3月20日 2時) (レス) id: f42709c111 (このIDを非表示/違反報告)
桜餅(プロフ) - リンゴさん» ありがとうございます！嬉しいです！今後ともよろしくお願いします！ (2020年1月13日 20時) (レス) id: b9e517107b (このIDを非表示/違反報告)
リンゴ - 面白いです！更新無理のないように頑張って下さい！！応援してます！ (2020年1月13日 10時) (レス) id: 07869dbeb9 (このIDを非表示/違反報告)
桜餅(プロフ) - ただのアニメ好き☆さん» いつもありがとうございます！少し間が空いての更新でしたが、楽しみにして頂けてるなんて感激です！これからもよろしくお願いします！ (2019年6月29日 11時) (レス) id: b9e517107b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜餅 | 作成日時：2019年5月5日 17時
