私を見つけて 続編

何かが始まる予感 ページ11

花「君の事をもっと知りたい」

　

そう言われたとき、少しだけドキッとしてしまった。
だが、彼の頭が私に覆いかぶるように迫ってくるので全てそこに持っていかれてしまった。
いや、頭なんとかして。




『え、えーーーっと………』



ん？でも待てよ？このやり取りどこかで……。
困惑している私を見て花沢くんはくすっと笑って顔を離した。
それと同時に私は大きく呼吸した。
顔が近くて息を止めていたらしい。



花「連絡先教えて欲しいな」




『へ？………あ、あぁうん』




そう言われて、私は気付いたら普通に携帯を差し出していた。
いや、いやいやいや！警戒心はどこいった！
仲良くなるのは良いけどもまだ彼のほんの一部しか知らないのに簡単に教えていいのか！？


花「ありがとう」



かと言ってあとからやっぱ無理とも言えず、そのまま連絡先を交換してしまった。
花沢くんは満足そうな顔をして携帯を鞄にしまう。
私の連絡先なんか知って何がいいのだろうか。
少し疑ってしまう。



花「それじゃ僕はこれで。連絡するね」




『あぁうん。……………え、連絡？』



そう聞き返したときはもう花沢くんは背中を向けて去ってしまっていた。




『まじかぁ。花沢くん』




ポツリとそう呟いてしまった。
どうせまた記憶を消さなきゃいけないのに連絡先を教えてしまった。
私の痕跡はなるべく残らないように注意してたのに。



『私のこと知りたいってどういうことなんだろう』



未だに彼の考えていることは分からない。
もしかしたらまだ影山くんに恨みを持っているかもしれないのに。
そう考えると、私に近づいたのはそういう理由なのか？
だが、あとから良く考えたら花沢くんは先生に顔を知られている。
もし私と一緒にいる所を見られたら彼にも危険が及ぶのではないか。




『いよいよ潮時かもなぁ……』




独り言を言いながら歩いていると、ピロンと携帯が鳴った。
見るとメッセージが送られている。
まさか花沢くんかと思ったが、送り主は先生だった。
開くと、知らない人の写真が送られてきた。




『はぁー。またか』




すると今度は電話がかかってくる。
ため息をつきながら私は電話に出た。



『…はい』




先【写真見てくれた？】




『見ましたよ。それで？いつものようにすればいいんですか？』





先【まぁそういうこと。詳細送っておくからよろしくね】






そう言ってすぐに電話が切れた。
私は送られた写真を黙ってしばらく見つめていた。

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