私を見つけて 続編

いい人のまま ページ2

〜前回の話〜

色々あって学校をサボってしまった夢主。

暇潰しに近くに居た霊に話し掛け除霊しようとしていた。


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『はぁ』



私は段々と学校を休んでしまったことに後悔していた。
霊の話はとても悲しかった。
30歳の男性で、大好きな彼女に浮気され、振られてしまったそうだ。
ヤケクソになってお酒を飲み過ぎてしまい、泥酔状態のまま夜道を歩き、仰向けで寝てしまった。
仰向けのせいで、嘔吐物が喉に詰まってしまい、窒息死という形で亡くなってしまったようだった。


霊【俺は自分に腹が立つ。彼女に満足させてあげられなかったのもあるけど、親に心配させたまま僕が先に逝ってしまう羽目になって。親に申し訳なくて。いっそこのまま人を怖がらせてしまうなら消えたい】



『そうなんだ。でもさ、貴方は偉いよ』



霊【偉い？】



『だって、その女の人の事恨んでないんでしょう？普通だったら恨んで貴方は悪霊になってたとこだよ。でも貴方はそうならない。それって凄いことなんだ』



霊は黙って私の話を聞いている。



『私はいっぱい見てきた。人を恨んで悪霊に変わって人間に悪さする霊達を。本当はこうやって話しすらさせてくれないの。だから貴方は良い人で終わることができる。本当に貴方は偉いと思うよ』



霊【そっか…。僕はまだ良い奴で終わることができるのか。君に会えてよかったよ。話も聞いてくれてありがとう】



『いいの？このままだったらまだ……』




霊【いや。いいんだ。僕はこのままで消えたい。君にお願いしたいんだ】



『……わかった。私も貴方と話せて良かったよ』



そう言うと霊がかすかに笑った気がした。


私は手をかざし、力を使う。
ゆっくりと、ゆっくりと除霊していく。



完全に霊が消えた後、私は少し寂しいと感じた。



『………私もいい人のまま消えたいな』



私は息をついて、空を見上げた。
私の気持ちとは裏腹に、空は快晴だった。

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