蜘蛛とダンス：） ページ20
「……あぁ、嫌だなあ」
本当に嫌だ。ボクは殺り残したモノがまだあった事に気づいた。
……あの蜘蛛嬢だ。
祭りの時は、Aがどうしてもというから近くまで行ってやったけれど、その時の鳥肌の立ち様といったら……今でもザワザワする。
一時的にフリスクに権利を渡してやってもいいが、何するか分からないし。
ボクがやるしか……。
…
「アフフフ、アナタ、蜘蛛嫌いだったのねぇ〜」
「……まぁね」
あぁ、気持ち悪いっ！
このネバネバした蜘蛛糸の感触！辺りをカサコソ歩き回る蜘蛛の足音！おまけに……。
「百年も経ってこんなに立派になった蜘蛛ちゃんと遊ばせてあげるわぁ〜」
「よ、余計なお世話だッ！！」
アレが一番おぞましい。
といっても、肝心の蜘蛛嬢自体が高い場所に張られた蜘蛛の巣に座りっきりで、中々一撃を加えられないのが難点。
足元に張り巡らされた蜘蛛糸で、回避することもままならない今、バイシックルにとてもお世話になっている。
ここで回復アイテムを切らすのはマズイな。あの嬢に反撃する手立てがない以上……。
「アフフフ。そうねぇ〜、蜘蛛嫌いのアナタにとっておきのプレゼントをあげる。蜘蛛ちゃん！やっておしまい！」
「ボクは正義のヒーローかよ……」
悪役みたいなセリフ吐きやがって。
大蜘蛛がたくさんの蜘蛛の巣を飛んで移動し、ボク目掛けて紫色の液体を放って来た。
「チィッ！」
ナイフで足元の糸を切り離し、間一髪避けるが、向こうの攻撃の方が早い。ボクが体制を整える前に、もう一発喰らってしまった。
「……ッ！……って、アレ」
なんだか、糸に触ってもベタベタしなくなったぞ。それに、今の気分なら……あの蜘蛛嬢に一矢報いることができるかもしれない！！
“不屈”
「あら？蜘蛛ちゃんのポイズンブレスが……」
「今のボクはどんな攻撃も躱す自信があるよ」
蜘蛛嬢の差し金である小さな蜘蛛達を斬りはらい、逆上した蜘蛛嬢をボクが得意とするフィールドまで誘き寄せる。
「よくも、よくも私の大事な蜘蛛ちゃん達をッ！」
「悪いね、君の大事な家族を殺してしまって」
地面には足や、頭、胴体が切り離された蜘蛛が、散り散りになって蠢いていた。
「あっ、まだ生きてるか」
「くぅ、このッ……！？」
「君自体は弱いんだな。さよなら、蜘蛛嬢」
彼女の崩れた体に、小さな蜘蛛が花を添えに来る。
それも殺してしまうのは流石にどうかと思い、ボクはその場を後にした。
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クラゲ - そっか！この頃は日本語版が出てなかったんですね。良い作品をありがとうございます！ (12月20日 21時) (
レス) @page11 id: 0f80d37cb9 (このIDを非表示/違反報告)
クラゲ - 面白かったです！モンスターの子っておいらじゃなくて俺だったような気がするのですが… (12月20日 21時) (レス) @page11 id: 0f80d37cb9 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - バイシックル…？バビコの事ですかね？ (2019年6月7日 23時) (レス) id: 83fb9e2c17 (このIDを非表示/違反報告)
ChocoLa(プロフ) - ユキさん» てへぺろ((( ですね……自分でもこの更新速度は驚いておりますよ……オホホ(( 女神様が降臨なされたのかなww (2017年3月17日 22時) (レス) id: 73c0835f44 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - めちゃくちゃ更新されてる… (2017年3月17日 21時) (レス) id: 93b58d9534 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ChocoLa | 作成日時：2017年3月15日 20時
