可能性-_- ページ16
そこまで言って、ぼくはハッとする。
何か、ぼくではない“誰か”が一瞬だけ、ぼくの中に入った気がした。でもその“誰か”が言ったことには、両手を上げて賛成する。
「……そうか、確かにそうだな。お前だけに押し付けて悪かったよ。……でもな、もう少し可能性を模索して欲しいんだ」
「可能性？」
ここまで来て、可能性なんか存在するのかな。ぼくの手はもう灰まみれで、しましまシャツの色もくすんできているっていうのに。
やってしまったことは、もう取り返しがつかないでしょ？
「ああ、もしお前が……この世界を何度も繰り返していたとすれば、わかると思う。色々な可能性を探して欲しいんだ。俺は」
この世界を……何度も？
「サンズ。君の言っていることはよく分からないけど、肝に命じておくよ」
「そうしてくれると、助かる。話は以上だ」
「うん、ごちそうさま」
サンズは立ち上がり、ホールから出て行った。ぼくは彼に言われた言葉を反復してみる。
「この世界を、何度も、繰り返す……」
不思議とこの言葉に違和感はなかった。それどころか、どこかで納得している自分もいた。
繰り返せば、誤ちも無かったことになるのかな。
ぼくはご馳走を食べ終わり、決意を新たにして、更に先へ向かうことにした。
…
「ハウディ！」
ホテルの出口を通って、機械的な道を歩く。途中で聞こえたお花さんの声に、ぼくは立ち止まった。
「やあ、お花さん。君から貰ったナイフ、切れ味が良いんだね」
そう言ってナイフをお花さん目掛けて投げる。
ドスッ。
「のわっ！？あ、危な……この可愛い顔に傷がついたらどうしてくれんのさ！」
ついたら良かったのに。
「あー……さては、さっきあのクソ骨にそそのかされたろ？で、オマエはそれを受けるのか？」
アンダインをこの手にかけてしまってから、ぼくはもう和解が面倒と感じて、モンスターをどんどん殺してしまっていた。
今更謝ることなんて、それこそ自分勝手だと思う。でも……。
「この世界を繰り返すことができるのなら……ぼくは、やり直したい」
「へぇ〜……そうなんだ……ねえ、キャラはどう思う？」
『非常にクソッタレな思想だ。ボクが矯正してやるよ』
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クラゲ - そっか！この頃は日本語版が出てなかったんですね。良い作品をありがとうございます！ (12月20日 21時) (
レス) @page11 id: 0f80d37cb9 (このIDを非表示/違反報告)
クラゲ - 面白かったです！モンスターの子っておいらじゃなくて俺だったような気がするのですが… (12月20日 21時) (レス) @page11 id: 0f80d37cb9 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - バイシックル…？バビコの事ですかね？ (2019年6月7日 23時) (レス) id: 83fb9e2c17 (このIDを非表示/違反報告)
ChocoLa(プロフ) - ユキさん» てへぺろ((( ですね……自分でもこの更新速度は驚いておりますよ……オホホ(( 女神様が降臨なされたのかなww (2017年3月17日 22時) (レス) id: 73c0835f44 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - めちゃくちゃ更新されてる… (2017年3月17日 21時) (レス) id: 93b58d9534 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ChocoLa | 作成日時：2017年3月15日 20時
