告 ページ12
ガスターさんのターンもひとまず終わり、今度は私のターン。彼と机を挟んで向かい合うように座らせてもらった。
そして、私はガスターさんが話した事に衝撃を受ける。
「……な、ガスターさん……キャラに協力していたんですか……?」
「そうだよ。何か問題でも?」
「大有りです!」
片手でコーヒーを優雅に啜って、飄々とした態度のガスターさんに私は詰め寄った。
「キャラの計画は、キャラどころかアズリエルも死んじゃうかもしれない危険なものなんです。それに手を貸すなんて……」
「おや、でも最終的には君が来て、私がスパイのようにキャラくんが行おうとしていることを君に流すことができているじゃないか」
「……結果論です、けど……そうですね」
私は椅子に座りなおし、両手でココアのカップを持って平常心を保つ事にした。
「まあ落ち着きなさい。それに私は“カオス・バスター”を開発して、アズリエル王子の戦力強化に尽力しているだけだ。アズリエルくんを、人間の手で死なせないようにしているだけなんだよ。怒る事でもないだろう」
「……」
確かに、ガスターさんの言う通りだ。変に事を荒だてて機嫌を損ねても都合が悪いのはこっち。
「そして……まあ……君が一番失望するニュースなのだけれど」
「…………何ですか?」
「心して聞きなさい。決して錯乱しないように。いいね?」
ガスターさんはコーヒーを皿の上にかちゃりと置いて、ゆっくりと深呼吸した。
私もカップから手を離し、膝の上に両手を置く。
「キャラくんの心を読んだけれども、彼は必ず自死し、そのソウルをアズリエルくんに取り込ませるつもりだ。キャラくんの死は免れない事だけは、確言しておく」
目を閉じた。
両手が震えるのが分かる。ガスターさんの顔を、キャラが死んでしまう事を告げるその口を見たくない。
心臓の動悸が止まらなかった。不整脈かと勘違いする程激しくて、苦しい。
「助ける方法は……」
私は両手で顔を抑えた。頰が熱くて、この部屋は空調が効いているはずなのに冷や汗が止まらない。
ふと、誰かが席を立った音がした。ぺちゃぺちゃと近付いてきた、私を包み込むように抱きしめてくれた。
優しいのに、暖かいはずなのに……その声色は驚くほど冷たくて。
「無い」
寒くて、震えが止まらない。
65人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Undertale」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ChocoLa(プロフ) - のってぃさん» はじめまして!こんばんは〜!おおー、そうなんですね!ありがとうございます!展開にはなるたけ不自然な点が無いように頑張ってるので、そう言っていただけると嬉しいです^^*ガスターさん……ありがとうございます……私も書いてて辛かったです。更新頑張りますね! (2017年3月15日 19時) (レス) id: 73c0835f44 (このIDを非表示/違反報告)
のってぃ - はじめまして。気ら読ませていただいています、のってぃと申します。1ページ1ページ読む度にハラハラドキドキして、とても面白いです!ガスターさんで泣きました…。これからも更新楽しみにしております! (2017年3月15日 19時) (レス) id: a85a621027 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ChocoLa | 作成日時:2017年3月14日 11時