【DQ11】亡国の悲劇

久しい再会 ページ8

目を開けると、金髪の般若がいた。




「おやすみなさい」

瞬時に死を感じた私は再度夢の中へ飛び立とうと……「するな！」

ホメロスがそう叫ぶと、ガチャリとドアを開け、入ってきたのはグレイグだった。

「……どうして二人が。……水龍は？ 私、メガンテで力尽きたはずなのに」

「説教は後にしようホメロス。久しぶりだなA、俺達はユグノア王から救援依頼を受けたのだ」

グレイグはホメロスを嗜めると、私が横になっているベッドに腰掛けて額に手を置いてくる。

「無事で良かった。ホメロスの的確な指示でAにはすぐザオリクをかけ救護班に預けた。あの転生種の水龍は中々に手強かったな、俺とホメロスのコンビでも多少苦労したぞ」

メガンテを放ったことは確かだ。私の体力と魔力の全てをもってしても、アレにとどめを刺すことは叶わなかったということか。

深い溜息をつく。

「部下を連れ西海岸に向かう途中であり得ないほどの魔力の暴走を感じた。もっと自分を省みろ、私達がいなかったら本当に死んでいた」

「こればかりはホメロスの言う通りだな」

「……」

私はアオイム、キイメ、ミドンジャを助ける為に囮になった。彼らが見えなくなったところで、自分も逃げるべきだったのだろう。

でも、敵を前に逃げるなんて……そんな恥ずかしい事はしたくない。そうするくらいなら、例え果てたとしても戦った方がずっといい。

それよりも、あの水龍にあれだけやっても勝てなかったんだ。もっと修行しなくちゃ……鍛錬の時間を少し増やそうかな。

「おい」

「……グレイグは？」

「飲み物を取りに行った。というか、また変なことでも考えているのだろう」

「変なことじゃない」

「アーウィン王にはお前の容態を隠すことなく話した。しばらく休暇をやるとのことだ」

「はあ！？」

何を勝手に……！

「見ているこちらが可哀想になるくらい嘆いていた。お前も主君に仕える身なのなら、破滅する以外の方法を考えろ」

「……そんな」

アーウィン王が。

あの方が気に病む必要はこれっぽっちも無い、全ては私が弱いせいで招いた事なのに。

「なに」

黙ったままの私の�茲に、手を添えるホメロス。

「いや……グレイグならこういう時、何を言うのだろうとな」

「そっか。きっと、褒めてくれるんじゃないかな」

なんて、適当に言ってみたら。



「……頑張ったな、お前が水龍を引き止めたからこそ、あの三匹の命は救われたぞ」

ホメロスはそう言って、フッと微笑んだ。

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