女神の子孫である者 ページ35
人の言葉を話すモンスターだが、必ずしも知能も人並みであるとは限らない。
物珍しさに狩られたり、言いなりにされたりするだろう。そんなモンスターを哀れに思った女神ゼタは、彼らに“創造”の力を与えたと言う。
「その結果、我らはこのように美しい里をつくりあげ、存続させることができたのです」
「ふうん……それで、そのゼタ様ってのと私に何の関係があるの?」
特に彼女を崇めている訳では無いが、信者の前で呼び捨てにするのも失礼にあたるだろう。
私が質問すると、ドラキーが待ってましたと言わんばかりに飛び上がった。
「ハイ! A様の戦闘をずっと観察した僕が言うのだから間違いは無いですよ。魔法騎士としてモンスターと共に戦う貴女の姿はまさに女神ゼタ様そのものでした!!」
「……それ、ちょっと決め手に欠けるんじゃないかしら」
ちょっとどころか、かなりだけど。
魔法騎士でモンスターと一緒に戦う人なんてこの世にごまんといるでしょう。どうして私なのよ。
すると、ギガンテスが私の反応は想定内だったというように頷いて、ある指輪を出してきた。
「この指輪は、女神ゼタ様が装備していたと伝承で伝えられている、由緒あるモノです。これを装備して下さい」
「……えーっと、分かった」
薔薇とドラゴンか何かの翼が細かく彫刻されている、非常に美しい指輪だった。
周りの魔物達が目をキラキラさせながら見てくる。居心地の悪さを感じながらも、私は右手の人差し指に厚めのシルバーリングを嵌める。
瞬間。
まばゆい光が辺りを包み、周りが白一色になった。
「まぶっ! ってか、あれ……みんなは?」
見渡すが、ドラキー達が見当たらない。どこかの隠れているのだろうか。
「かくれんぼなら得意なんだけどな」
しかし、どれだけ歩いても彼らは見つけられなかった。此処はいったいどこなのか。私はどこに飛ばされてしまったのか。まさか図られたか?……いいや、それは無いわ。根拠もなく疑うのはやめよう。
しばらくすると、目の前に銀髪の少女が現れた。
「……貴女、誰」
「こっちのセリフなんだけど……まあいいや、貴女ってもしかしなくても女神ゼタ様よね?」
「そう。じゃあ貴女はAなのね」
無表情で、淡白にそう言ったゼタ。彼女はどこか遠くを見ていて、こちらに視線を合わせようとしない。
「その指輪は、不完全」
ゼタは脈絡もなく言い放ち、魔力の球を構築し始める。
不完全って、どういうことだろう。
70人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ChocoLa(プロフ) - pirioさん» 魔物ブラザーズにクスッときました笑 そうですね……私のUndertale小説を読んで下さったらわかるんですが、(宣伝すみません!!)私の小説はよくキャラが死にます。(迫真) あ、そうですね!そうかもしれません。アオイムがグレイグ二号になる日も近いか……? (2017年9月25日 23時) (レス) id: 8909d06097 (このIDを非表示/違反報告)
ChocoLa(プロフ) - よぼよぼ婆ちゃんさん» スマホから書いてるんですが、腱鞘炎になりそうです← ありがとうございます♪ いえいえ!カミュ夢書いてらっしゃる作者様ですよね?読んでいただけて凄く光栄です!!そんなことないですよ、よぼよぼさんの作品読ませていただいてるんですが、とても面白いです! (2017年9月25日 23時) (レス) id: 8909d06097 (このIDを非表示/違反報告)
pirio(プロフ) - え……魔物ブラザーズ(勝手に名付けてすみません)死んじゃったんですか、、。好きなキャラだったので悲しいです。あと紫苑の誓いでのグレイグって絶対バンデルフォンのこと思いながら言ってますよね。、ふあああなんか衝撃でした>< (2017年9月25日 18時) (レス) id: 31a4e1749a (このIDを非表示/違反報告)
よぼよぼ婆ちゃん(プロフ) - 今日、一気に更新したのですね!! 続きがこんなに読めて嬉しいです^^ この作品を読むたびに、自分の文才の無さがよく分かってしまいます(泣) (2017年9月25日 17時) (レス) id: b26a8ca70c (このIDを非表示/違反報告)
ChocoLa(プロフ) - 魔物入れちゃいました。。前作から読んで下さってありがとうございます〜>< あーでも魔物小説ないですね!自分擬人化とか好きなので魔物小説誰か作ってくれないかな()って思ってます()わたしの好きモンはキラーマシン2ですかね、めっちゃかっこいいですよね! (2017年8月27日 13時) (レス) id: 73c0835f44 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ChocoLa | 作者ホームページ:http://ulog.u.nosv.org/mylist
作成日時:2017年8月24日 15時