【DQ11】亡国の悲劇

女神ゼタ ページ34

「ん……」

「あ、起きました！！A様が目を覚まされました〜〜！！」

「ﾁｮｯﾌﾟﾘ ﾄｹﾞｯﾌﾟﾘ」

喧騒の中目を覚ますと、ミドンジャやアオイム、キイメとドラキーやキラーマシン、ああギガンテスやグレイトドラゴン……。

って、羅列してくとマジで魔物多いなあ……。

寝起きにそんなことを思っていると、その中でもドラキーが興奮冷めやらぬ様でバタバタと落ち着きなく羽ばたいていた。

長であるギガンテスも何やらそわそわしている。なんだろう。

「A」

「……キイメ。 お疲れ様、３匹ともよく頑張ってくれたわ」

「えへへ」

「怖かったけど、頑張ったもじゃ！」

「……ああ。ホメロスとグレイグはデルカダールとユグノアに報告に行った。Aはあと１日休めとよ」

「分かったよ」

疑わしい目を向けてくるキイメを撫で撫でして、さっきから熱視線を向けてくる２匹を見る。

「どうしたの？」

「どうやらA様……本当に女神だったみたいです！」

いきなりとち狂った事を言い出したドラキーを放って、私はギガンテスを見た。

「どうしたの？」

「ちょ、酷いですよ！ だって伝承通りなんですもん！ 僕間違った事言ってませんもん！」

「ちょっとうざいもじゃ〜」

「Aが女神かどうかなんて僕達にはカンケーないしー」

「まあまあ、どうか我らの話を聞いてくれまいか」

ギガンテスは古臭い本を取り出して、(当然本も大きかった)解説を始めた。

「この話は初代勇者まで遡る、いわゆる神話の時代の話だ……」

神話の時代……。父さんがよく寝る前に話してくれたな。

「簡潔に言うと、此処らのモンスターの里で崇める女神とは、初代勇者の妹、“ゼタ”である」

「……ゼタ？」

なんだ、聞き覚えのある名前……。

「どうかしたか？」



“さらばだ、ゼタ……いや、人間よ”



「キイメ……いや……なんでもない」

気を失う直前、あの魔人は確か“ゼタ”といった。私に向かって。……後で言い直してたけど。

それと何か関係が……、いや、そもそもどうしてあの魔人が初代勇者の妹を知ってるのよ。いくら魔族だっていっても神話の時代から生きるなんて有り得ない。

「女神ゼタ様は、とても心優しいお方でした。人を害す気の無いモンスターに技術を教え、文化を与えられたのです」

ドラキーは得意げに話した。

「彼女は、本当に素晴らしい方なのですよ！」

女神の子孫である者→←魔王を自称する者

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