VS.ギガンテス・洗脳 ページ32
「ぐうぅッ!!」
咄嗟に盾で庇うが、衝撃波が激しく足元から地面は割れ、削れた盾の破片が飛び散った。……結構高かったのに。
「給料三ヶ月分、給料三ヶ月分……」
「ど、どうしたもじゃ」
「いや、なんでもない」
そうだ、私が騎士団長から将軍クラスまで登り詰めればこんなのはした金ってもんだ。
左腕に力を込め、盾で棍棒を弾くとよろめきたたらを踏むギガンテス。私はその隙を見逃さない。
相手の懐に飛び込み、魔力を剣に注いでさみだれ斬りを放つ、が……。
「浅い!」
とはいえ、私の魔力を込めた攻撃を受けてもピンピンしている。これはただの洗脳じゃないんじゃ。
「きっと、上位の魔族が特定のモンスターに力を分け与えてるに違いないもじゃぁ」
「その通りだろうね、きっと」
ミドンジャに賢者の聖水をいくつか渡して、私は魔力を最大まで回復させた。
「ちょっと相手を混乱させるもじゃよ!」
毛むくじゃらの手から放たれたメダパニは、続く私の攻撃を避けることに必死な相手にクリーンヒット。
周りの魔物を蹴散らして雄叫びを上げるギガンテスに、ミドンジャはちょっぴり怯えながら肩にしがみついてきた。
「魔力覚醒、詠唱完了……バギムーチョ!!」
魔力を溜めた左腕と魔力を流した剣を交差させ、風の超級魔法を唱えた。何故バギムーチョかと言うと、ギガンテスが混乱で軽傷や中傷を負わせた敵も一気に葬り去るため。
イオグランデはちょっとコスパ悪いし、これで妥協した。
ギガンテスを中心に吹きすさぶ強風は魔力を持って、領域内の魔物を蹂躙する。交差させた両手を解くと、魔物の死体は光となり、一帯が更地と化した。
「やったもじゃ!」
「ん、いい感じ」
ぱちん。
ミドンジャとハイタッチして、里のさらに奥へ進む。
キラーマシンとドラキーの安否確認の為拡張した魔結界が、新たな魔力を感知したのだ。それも、とても強い。
「イヤーな予感もじゃよ」
「ええ……これは私達だけだと厳しいと思うけど、時間稼ぎくらいはできるはず」
幸運なことにユグノア・デルカダール軍はこの里の魔物を圧倒してくれていた。流石はグレイグの武勇と、ホメロスの知略といったところか。
もちろん、私のキイメとアオイムも頑張ってるけどね。
もう少しすれば、里の魔物は殲滅できる。それまで私達でアレを足止め出来ればいい。
「じゃあ……い、いくもじゃよ」
「そ、その前にも一回バフかけて!」
ほら、準備は万端にしないと……ね?
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ChocoLa(プロフ) - pirioさん» 魔物ブラザーズにクスッときました笑 そうですね……私のUndertale小説を読んで下さったらわかるんですが、(宣伝すみません!!)私の小説はよくキャラが死にます。(迫真) あ、そうですね!そうかもしれません。アオイムがグレイグ二号になる日も近いか……? (2017年9月25日 23時) (レス) id: 8909d06097 (このIDを非表示/違反報告)
ChocoLa(プロフ) - よぼよぼ婆ちゃんさん» スマホから書いてるんですが、腱鞘炎になりそうです← ありがとうございます♪ いえいえ!カミュ夢書いてらっしゃる作者様ですよね?読んでいただけて凄く光栄です!!そんなことないですよ、よぼよぼさんの作品読ませていただいてるんですが、とても面白いです! (2017年9月25日 23時) (レス) id: 8909d06097 (このIDを非表示/違反報告)
pirio(プロフ) - え……魔物ブラザーズ(勝手に名付けてすみません)死んじゃったんですか、、。好きなキャラだったので悲しいです。あと紫苑の誓いでのグレイグって絶対バンデルフォンのこと思いながら言ってますよね。、ふあああなんか衝撃でした>< (2017年9月25日 18時) (レス) id: 31a4e1749a (このIDを非表示/違反報告)
よぼよぼ婆ちゃん(プロフ) - 今日、一気に更新したのですね!! 続きがこんなに読めて嬉しいです^^ この作品を読むたびに、自分の文才の無さがよく分かってしまいます(泣) (2017年9月25日 17時) (レス) id: b26a8ca70c (このIDを非表示/違反報告)
ChocoLa(プロフ) - 魔物入れちゃいました。。前作から読んで下さってありがとうございます〜>< あーでも魔物小説ないですね!自分擬人化とか好きなので魔物小説誰か作ってくれないかな()って思ってます()わたしの好きモンはキラーマシン2ですかね、めっちゃかっこいいですよね! (2017年8月27日 13時) (レス) id: 73c0835f44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ChocoLa | 作者ホームページ:http://ulog.u.nosv.org/mylist
作成日時:2017年8月24日 15時