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その日のキャンプ ページ4

「もう疲れたもじゃ〜〜! 歩きたくないもじゃ〜〜!」







「お前、追われてる時はいつも逃げ足早かった癖に!」


「まあまあキイメ、じゃ、ここらで一回休もうか」

「わーい!ぼくも疲れた〜」

幸い近くにキャンプ場があった。女神像に一度お祈りをしてから、私は鍋と食材を取り出し、シチューを作り始める。

「俺も手伝う」

「ありがとうキイメ」

「いい匂いもじゃ〜……アオイム、Aの手料理は久しぶりもじゃね!」

「そうだね! わくわく……」


「……」

彼らの実力は確かだ。それも私直属の部下になれる程の。しかし彼らは出世しようとしない。降ってくる昇進の言葉をことごとく蹴っているのである。

その理由は至って単純、 目立つと危険だから。

アーウィン様は人間にも良い魔物にも寛大なお方だからこの国での安全は保証すると仰って下さった。しかし、魔物は危険、そのような固定観念を持つ民も兵士も少なくはない事を、王も私も理解していた。

彼らは今、兵舎で生活をしている。

私の部下になれば、私の屋敷に住まわせてあげられるのに……。

「A、何を考えている」

「……キイメ」

「俺達は感謝している。この生活は、俺達魔物にとっては充分すぎるほど贅沢だと思ってる」

「加えて言えばAの手料理が毎日食べたいってだけもじゃ……」

ミドンジャがぼやく。人に上手く化けられるようになるまで、家でかくまっていた頃は私の作ったご飯、よく食べてもらってたな。

「知能の高い魔物は俺達以外にも数体いた。しかし奴らは殺されて素材にされてしまった」

「……結構良い奴らだったよねっ」

アオイムが笑顔を堪えて言った。確かに、彼らが私の屋敷にやって来た頃は毛並みも艶も無くて、ボロボロで……所々に鏃(やじり)が刺さっていて。

人間に追われ、執拗に攻撃を受けていた事は十二分に分かる状態だった。

そして、彼らの他にいたであろう仲間は……。

「それに、俺達魔物は人間の作った制度なんかに興味は無い。それに則るのは、ゴールドで飯を買う行為だけで充分さ」

「そうだそうだ!」

「そうもじゃ!」

「……わかった。わかったよ……ありがとね」

「ああ。そう言えばシチュー焦げないか?」



「しまった」

その日のキャンプの晩御飯は、おこげが香ばしい特製シチューでした。

VS 水竜→←新しい仲間



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設定タグ:ドラクエ11 , ホメロス , グレイグ   
作品ジャンル:ファンタジー
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ChocoLa(プロフ) - pirioさん» 魔物ブラザーズにクスッときました笑 そうですね……私のUndertale小説を読んで下さったらわかるんですが、(宣伝すみません!!)私の小説はよくキャラが死にます。(迫真) あ、そうですね!そうかもしれません。アオイムがグレイグ二号になる日も近いか……? (2017年9月25日 23時) (レス) id: 8909d06097 (このIDを非表示/違反報告)
ChocoLa(プロフ) - よぼよぼ婆ちゃんさん» スマホから書いてるんですが、腱鞘炎になりそうです← ありがとうございます♪ いえいえ!カミュ夢書いてらっしゃる作者様ですよね?読んでいただけて凄く光栄です!!そんなことないですよ、よぼよぼさんの作品読ませていただいてるんですが、とても面白いです! (2017年9月25日 23時) (レス) id: 8909d06097 (このIDを非表示/違反報告)
pirio(プロフ) - え……魔物ブラザーズ(勝手に名付けてすみません)死んじゃったんですか、、。好きなキャラだったので悲しいです。あと紫苑の誓いでのグレイグって絶対バンデルフォンのこと思いながら言ってますよね。、ふあああなんか衝撃でした>< (2017年9月25日 18時) (レス) id: 31a4e1749a (このIDを非表示/違反報告)
よぼよぼ婆ちゃん(プロフ) - 今日、一気に更新したのですね!! 続きがこんなに読めて嬉しいです^^ この作品を読むたびに、自分の文才の無さがよく分かってしまいます(泣) (2017年9月25日 17時) (レス) id: b26a8ca70c (このIDを非表示/違反報告)
ChocoLa(プロフ) - 魔物入れちゃいました。。前作から読んで下さってありがとうございます〜>< あーでも魔物小説ないですね!自分擬人化とか好きなので魔物小説誰か作ってくれないかな()って思ってます()わたしの好きモンはキラーマシン2ですかね、めっちゃかっこいいですよね! (2017年8月27日 13時) (レス) id: 73c0835f44 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ChocoLa | 作者ホームページ:http://ulog.u.nosv.org/mylist  
作成日時:2017年8月24日 15時

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