【DQ11】亡国の悲劇

新しい仲間 ページ3

――最近、ユグノア王国西海岸付近に、大型の凶暴な魔物が出没しているらしい。



昨日、父が私に言った。詳しくは明日……つまり、今日国王様が話されるとのことなのでそれ以上聞くことはできなかったが。

「A」

「……アーウィン様」

ユグノア王国は、去年王位交代したばかりである。以前はロウ様が王だったが、今は目の前のアーウィン様が王として国を、民を引っ張ってくださっている。

そのアーウィン様が、部下を鍛え終わり休憩中の私を尋ねて来られた。

「西海岸の水竜のことを、グルーニア殿から少し聞いたと思うのだが」

「はい、ユグノア国産のホワイトパール等が余り獲れなくなっているようですね」

「ホワイトパールは国益の３パーセントを占めている。……水竜の討伐を君に頼みたい」

西海岸の水竜。噂によく聞くAランク相当の魔物だ。竜は基本群れを成して獲物を襲う習性があるので、討伐に向かうに当たっての部下の編成はよく考えないといけないな。

「……ええ、無事討伐して参ります」

ドラゴン系統はブレス攻撃が厄介だから、人数は１桁にとどめた方が良いだろう。主なアタッカーは私が引き受けるから、後方支援の子が欲しいかな。

一度そこまで考えて、私は胸に拳を当て頭を下げた。




――



「……と、言うことで、君達と一緒に水竜を倒したいと考えているんだけど」

悩みに悩んだ末、声を掛けたのは彼ら。

バフ、デバフの使い手、ミドンジャ。

「よろもじゃ！」

状態異常魔法のスペシャリスト、キイメ。

「よろしく」

そして、凄腕と言われる白魔道士のアオイム

「よろしくね！」

「まさか君達と任務遂行することになるとはね……」

そう、名前とミドンジャの語尾からも分かる通り、彼らは魔物である。

しかし、非常に知能指数が高い事から、その希少性を求める国々が彼らを追っていた。

「ぼくたちを助けてくれたAにはとーっても感謝！ね、キメ……じゃなくてキイメ！」

「俺は正直バレると思ったぜ、こいつがこんなんじゃな」

キメラのキイメはそう言ってももんじゃのミドンジャを指差す。確かにこの子だけなんだかケモノっぽく人間に変化しちゃってるというか……。

スライムのアオイムは目の辺りがなんともスライムっぽい。お肌もプニプニだし。

唯一完全に人間っぽいと言えるのはキイメだろうか。しかもちょっとイケメン。




「とにかく、よろしくな。隊長」

「うん、サポート頼んだよ」

目指すは西海岸！

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