限りがある ページ8
「……あっ、ゴリアテ様！」
「Aちゃん」
手合わせが終わり剣の手入れをしていると、ゴリアテ様が涼しげな顔で鍛錬場へ入ってこられた。
しかも、わざわざ私の近くの椅子に腰掛けなさったのだ。
その瞬間周りに薔薇が咲き、一気に華やいだように錯覚する。はぁ、今日もお美しい。
「小耳に挟んだんだけれど……Aちゃん、ユグノア王国にお呼ばれされたらしいね」
「あっ、はぁ……実は、そうなんです」
ソルティコ……いや、ゴリアテ様と離れるのが嫌なのでまだ考え中ですが……とは言わないでおいた。
グレイグは私の昇進(？)に大いに喜んでくれたし、ホメロスも不器用ながらも褒めてくれた。
ゴリアテ様も、同じように私のユグノア国行きに賛成されるのだろうか。
「……嫌なら、行かないでもいいと私は思うよ」
「……へ」
彼はシルクの生地で織られた布で艶の良い剣を拭いて行く。
その動作さえも品があって、綺麗だ。
「二日間屋敷を空けていた時、短い期間だけど色々な場所を巡ってね。その時に、ある団体を見たんだ」
「ある団体、ですか？」
「ん……サーカスの集団で、私達は時間の都合から遠目でしか見れなかったが……あの技術に惚れ惚れした」
「サーカスは、私も好きですよ」
「そうなの？」
「ハイ、観ているとなんだかワクワクして、とっても楽しいんです」
自分でも目がキラキラしているのがわかる。ゴリアテ様はくすりとこれまたお上品に笑うと、お話を続けられた。
「サーカスを観ていると心がワクワクする……か。素敵だね、笑顔を守る事ではなく、笑顔を作り出せる事というのは……」
もちろん守る事もとても大事だけど、と彼は続けて、剣を鞘に納める。
「笑顔を失った人の前で、騎士ができることと言ったら……何も無いと思うんだ」
「……！」
「話が大きく逸れてしまったね。取り敢えず私が言いたいのは、自分が本当にしたい事を見つけ、それに信念を持って貫きなさいという事だ」
「……ゴリアテ様」
ゴリアテ様は、騎士にはならないのだろうか？
騎士の名門と謳われている家系の出なのに……？
そこで私は彼の瞳を見つめた。
真っ直ぐで不屈の心を表すような力強い瞳だ。そして、私は悟った。
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ChocoLa(プロフ) - 魔族長ホメロスさん» コメントあざます！めっちゃお褒めいただいて光栄ですん！続編は予定してます！カミュ夢になる予定です！ホメロスも乱入してきます！続編でもよろしくお願いします！ (2017年8月24日 14時) (
レス) id: 73c0835f44 (このIDを非表示/違反報告)
魔族長ホメロス - あ、いきなりすいません。１話から見て居ました。とても面白い小説でした！キュン要素とギャグ要素がいい感じでよかったです！ (2017年8月24日 14時) (レス) id: 8414186cd0 (このIDを非表示/違反報告)
魔族長ホメロス - 続編とかはないんでしょうか。。？これで終わりだと実況最後まで見たので悲しいです。続編期待します！ (2017年8月24日 14時) (レス) id: 8414186cd0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ChocoLa | 作者ホームページ：http://ulog.u.nosv.org/mylist
作成日時：2017年8月19日 15時
