可能性 ページ7
「グルーニア様、Aをお連れしました」
「ありがとう、ホメロスくん」
ホメロスは私をちらりと見ると、父さんに一礼して部屋を出て行く。
私は近くのソファに腰を下ろし、父さんと向かい合った。
「おかえりなさい、父さん」
「あぁ、ただいま愛しい我が娘」
「グレイグくんから聞いたよ。 またあの二人に手合わせで勝ったと」
「……いえ、あれは……」
「謙遜は良い、お前の実力じゃないか」
父さんは少し真剣な面持ちで、腕を組む。
「お前はまだ１３歳の子供だ。 だからこそまだまだ伸び代がある」
そこで本題なのだが、と父さんは一呼吸置き、こう言った。
「ユグノア王国で修練してみる気はないか？」
――
「素晴らしい事だな！ おめでとうA」
「グレイグ……ありがとう。 でも、私この街から離れたくないの」
「……そうなのか？ 折角のチャンスだろう」
「それはそうなんだけどねぇ」
ふぅ、と何度目か分からない溜息を吐くと、いきなり左頬を摘まれた。
「溜息を吐くと幸せが逃げるらしい。 デルカダール王がそう言っていた」
「……ふふ、ほんとグレイグって純粋というかなんというか」
疑う事を知らないよね、本人には言ってあげないけど。
「……ユグノア国と言えば、四大強国の一つだ」
「そうね」
「もしAがユグノア国の騎士になれば、デルカダール国と連合を組んだ時、共に魔物と戦うことになるかも知れないな」
「……そうねぇ、楽しそう」
「もしそうなれば、どちらが多く魔物を倒せるか勝負しようか？」
「あははっ、何それ」
「……ふっ、まあ……じっくり考えてみるといい」
グレイグは紫苑の髪を風に揺らし、骨張った手でわしゃりと頭を撫でてくる。
なんだかグレイグと話したらちょっとだけ決心がついてきたかもしれない。
「ありがと、グレイグ」
「……何の事だ」
「君、凄くいいヤツだよね」
「騎士として当然の事をしたまで。 じゃあ俺は鍛錬に戻るから、Aも後から来い」
「りょーかい」
グレイグは立ち上がると、颯爽と歩いて行く。
その背中が随分大きくて、眩しくって。
きっと将来偉大な人物になるんだろうなぁと、そう思わせるような……。
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ChocoLa(プロフ) - 魔族長ホメロスさん» コメントあざます！めっちゃお褒めいただいて光栄ですん！続編は予定してます！カミュ夢になる予定です！ホメロスも乱入してきます！続編でもよろしくお願いします！ (2017年8月24日 14時) (
レス) id: 73c0835f44 (このIDを非表示/違反報告)
魔族長ホメロス - あ、いきなりすいません。１話から見て居ました。とても面白い小説でした！キュン要素とギャグ要素がいい感じでよかったです！ (2017年8月24日 14時) (レス) id: 8414186cd0 (このIDを非表示/違反報告)
魔族長ホメロス - 続編とかはないんでしょうか。。？これで終わりだと実況最後まで見たので悲しいです。続編期待します！ (2017年8月24日 14時) (レス) id: 8414186cd0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ChocoLa | 作者ホームページ：http://ulog.u.nosv.org/mylist
作成日時：2017年8月19日 15時
