帰還 ページ6
遂に。
……遂に。
「ただいま、Aちゃん」
「おかえりなさーーい！！」
目の前には薄く微笑む憧れの人。
朝方にはもうソルティコに着いていたらしいが、私とホメロスが仲良く寝ているのを起こせなかったらしい父親とグレイグは私達を放置。
先に挨拶に行っていたらしい。
わたしも、わたしも真っ先に挨拶したかった！
でも仕方ない、私はお昼過ぎにジエーゴ様のお屋敷に行き、愛しの愛しのゴリアテ様に会う事にしたのだ。
ちなみにホメロスはジエーゴ様に会うと、さっさと帰って行った。失礼な奴よねぇ。
「そういえば、ソルティコに何も変わった様子はなかった？」
「はい！ ありませんでした！ ソルティコはいつも平和ですよ」
「なら良かった。 平和だからって鍛錬をサボったりなんかしていないよね？」
ぎ、ぎくぅっ！！
どうしてこんなに勘が鋭いんだこの方は……。
「わ、私はいつも鍛錬に励んでおります！」
「……そう、ならいいんだ」
妖しく光った目を閉じ、頭をぽふぽふと撫でてくださるのはこの方の温かくて大きな手。
なんとか誤魔化せたみたい。
「ハイ！ ……あ、ゴリアテ様！ 久し振りに私を抱きしめて下さいませんか？
「うーん、また今度にしようか」
「う、うえぇ」
二日振りのハグはより幸せな気分になると思ったのにぃ。
「もうすぐ人が来るからね」
「人？ ジエーゴ様でしょうか」
「いや……」
ゴリアテ様が口を閉じると同時に、ノックの音がした。
「入っていいよ」
「失礼します。 A、グルーニア様が呼んでいるぞ」
金髪を靡かせ部屋に入ってきたのはホメロス。
そして、グルーニア様。これは私のお父さんの名前だ。グレイグとホメロスはこの一年私の家にホームステイしているから、敬意と感謝を払うために父さんを様付けしている。
だったら私のこともA様って呼ぶべきだと思うんだけど(さぞかしいい気分になるだろうから)。
「えぇ、父さんが……」
「Aちゃん」
「ゴリアテ様！ ハイ！ 分かりました！」
「……お前なぁ」
呆れ顔のホメロスとともに、私はゴリアテ様と別れ自邸へと向かう。
「また何かゴリアテ様にせがんでたろ」
「……なんで分かるのよ」
「あの困り顔を見れば誰だって分かるさ」
「困ってないわ、だってあの方も抱きしめてくださるときニッコリ笑われるもの」
「……ハグくらい俺がいつでもやってやるのに」
「はぁ？ 何か言った？」
「言ってねえよ！ バカ！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 45人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ChocoLa(プロフ) - 魔族長ホメロスさん» コメントあざます！めっちゃお褒めいただいて光栄ですん！続編は予定してます！カミュ夢になる予定です！ホメロスも乱入してきます！続編でもよろしくお願いします！ (2017年8月24日 14時) (
レス) id: 73c0835f44 (このIDを非表示/違反報告)
魔族長ホメロス - あ、いきなりすいません。１話から見て居ました。とても面白い小説でした！キュン要素とギャグ要素がいい感じでよかったです！ (2017年8月24日 14時) (レス) id: 8414186cd0 (このIDを非表示/違反報告)
魔族長ホメロス - 続編とかはないんでしょうか。。？これで終わりだと実況最後まで見たので悲しいです。続編期待します！ (2017年8月24日 14時) (レス) id: 8414186cd0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ChocoLa | 作者ホームページ：http://ulog.u.nosv.org/mylist
作成日時：2017年8月19日 15時
