前夜祭 ページ18
あのぶっ壊れ状態の屋敷ではとてもじゃないが生活を送ることはできない、ということでジエーゴ様にはうちの屋敷に来ていただいた。
私達がユグノアへ行く際は、ジエーゴ様の屋敷が直るまで使ってくれとお父さんが言ってたな。
「ふぅ」
グレイグとホメロスの出発を祝っての前夜祭を今夜行うとのことで、私は執事やメイドさん達に散々粧(めか)し込まれた。
ベッドに横になることも出来ないほど息苦しい。ちょっとコルセット巻きすぎじゃないかしら。
……まあいいや、今日は目一杯楽しもう。二人と遊べるのは今日が最後かもしれないんだから。
――
会場に着くと、途端に漂ういい匂いが肺を充満する。天井で黄金に輝くシャンデリアは貰い物かな。最近見なくなった貴族の方も来られている、旅行か何かから戻ったのだろうか。
「んッ、この匂いはまさか……」
私の大好きなしおかぜ草のシチュー！ 程よい酸味と塩っ気が食欲を唆るんだよね！ ご馳走をいっぱい作らせるとお父さんが言ってたからもしやとは思ったけど、本当にメニューに入っていたとは！
た、たべていいかしら。
いいよねっ！
「いただきま、あぐっ！」
「……コラ、A。何勝手に食い始めようとしてるんだ」
「ほ、ほめおしゅ……！」
片手で両頬を掴まれる。涙目で睨んだ先は青筋を立てたホメロスだった。
「全く。グルーニア様がお待ちだ、行くぞ」
しばらく大人しく引きずられることにする。ドレスには適当な加護を付けといたので汚れることはない。そう、ドレスにご飯落としても大丈夫な様にね。
ホメロスは私を引き摺りながらも周りの奥様方に全力で笑顔を提供する。その度に黄色い歓声を上げる彼女達には、引き摺られている私の姿が見えていないのか。
「A、よく来たね」
「父さん」
気が付けば目の前には父さんがいて、ホメロスはグレイグの隣に立っていた。
「今夜の催しは、グレイグくんとホメロスくんの旅立ちを祝うものなんだけれど、私達がユグノアへ向かう前のお別れ会でもあるんだ」
「……え？」
早くとも一ヶ月は先だと思っていたのに。
「実は、ユグノア国王のロウ様がお前に早く会いたいと」
「そ、そうなんですか」
「さあ、長い話はもう終わり、三人共思う存分ご飯を食べていきなさい！私はジエーゴくんとお酒呑んでくるから！」
「がっはっは！ さあ行こうか友よ！」
「ちょ、父さ……」
父さんは何処からともなく現れたジエーゴ様と肩を組み、人ごみに消えて行った。
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ChocoLa(プロフ) - 魔族長ホメロスさん» コメントあざます！めっちゃお褒めいただいて光栄ですん！続編は予定してます！カミュ夢になる予定です！ホメロスも乱入してきます！続編でもよろしくお願いします！ (2017年8月24日 14時) (
レス) id: 73c0835f44 (このIDを非表示/違反報告)
魔族長ホメロス - あ、いきなりすいません。１話から見て居ました。とても面白い小説でした！キュン要素とギャグ要素がいい感じでよかったです！ (2017年8月24日 14時) (レス) id: 8414186cd0 (このIDを非表示/違反報告)
魔族長ホメロス - 続編とかはないんでしょうか。。？これで終わりだと実況最後まで見たので悲しいです。続編期待します！ (2017年8月24日 14時) (レス) id: 8414186cd0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ChocoLa | 作者ホームページ：http://ulog.u.nosv.org/mylist
作成日時：2017年8月19日 15時
