戸惑いから ページ12
サーカスが終わり、ゴリアテ様とは別れて私は早々に自室に戻った。ゆっくり考える時間が欲しかったのだ。
“Aちゃん、ありがとう……”
そう言って微笑んだゴリアテ様は、この世の何よりも美しかった。
「……でも」
半分衝動的に口走ってしまったとはいえ、どうにも割り切れない。グレイグとホメロスに相談しようとも思ったけれど、多分ゴリアテ様は自分の夢のことを私以外に言っていない。
「ん？ それはそれで嬉しい！」
ベッドに座り、だらんと下げた足をばたばた動かす。スプリングが軋んで、折角執事が整えてくれたシーツがしわくちゃになってしまった。
「ふふーん」
私はゴリアテ様にとって特別ってことかしら？とまあ冗談は置いといて。
……あいつらに相談したとして、軽々しく人のことをバラすような奴とも思われたくないのも事実だ。
「“騎士は誠実であるべし”っていうからなあ」
誠実……誠実か。
そうだ、人の夢を応援しないのは誠実ではないよね。
ふと暦表に目をやる。気付けばあの二人がこの街を出て行く日が、一ヶ月後に迫っていた。
「お守りみたいなもの作っておこうかしら」
私は割と魔法にも適性があって、特に補助魔法が得意だ。お守りに何かしら加護を授ければ、効果を発揮するかも。
グレイグとホメロスには“いのちだいじに”のお守り、ゴリアテ様には“バッチリがんばれ”のお守りでいいだろうか。
割とあっさり決まった構想をもって、私は早速デザインを羊皮紙に描き込んだ。龍や虎、薔薇の紋章なんてどうだろう！？あの三人にぴったりな気がする。
「グレイグは笑って受け取ってくれるでしょ。ホメロスなんて泣いて喜ぶだろうな……ゴリアテ様は……」
急に眠気が襲って来るが、それに抵抗もせず私はデザイン画を抱いてベッドに横になった。
早速朝から作っていこう。一ヶ月で完成するかなぁ……頑張ったら……、できるよね……。
「すう……」
緋色のカーテンが縁取る窓からは、柔らかい月明かりが覗いていた。
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ChocoLa(プロフ) - 魔族長ホメロスさん» コメントあざます！めっちゃお褒めいただいて光栄ですん！続編は予定してます！カミュ夢になる予定です！ホメロスも乱入してきます！続編でもよろしくお願いします！ (2017年8月24日 14時) (
レス) id: 73c0835f44 (このIDを非表示/違反報告)
魔族長ホメロス - あ、いきなりすいません。１話から見て居ました。とても面白い小説でした！キュン要素とギャグ要素がいい感じでよかったです！ (2017年8月24日 14時) (レス) id: 8414186cd0 (このIDを非表示/違反報告)
魔族長ホメロス - 続編とかはないんでしょうか。。？これで終わりだと実況最後まで見たので悲しいです。続編期待します！ (2017年8月24日 14時) (レス) id: 8414186cd0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ChocoLa | 作者ホームページ：http://ulog.u.nosv.org/mylist
作成日時：2017年8月19日 15時
