騎士道 ページ2
騎士たるもの、信念を決して曲げず 国に忠節を尽くすべし。
騎士たるもの、どんな逆境にあっても 正々堂々と立ち向かうべし。
優れた戦闘能力を持ち、勇気や信念と共に常に誠実な行いをするべし。
常に寛大であれ。
常に気を配り、周りに親切であれ。
全ての困難にも打ち勝つ、不屈の精神であれ。
これこそが、騎士が騎士たる所以なのである。
――騎士道十戒より抜粋。
「……はぁ」
赤い装丁の分厚い本を閉じ、大きくため息をつく。
窓から見える真っ青な空は、言葉にするまでも無い、快晴だ。ソルティコの民は、今日も商売やら買い物やら、日々を生きるのに忙しい様子。
それはひとえにこの世界が平和だから。
最近魔物が増えたと言ってもわざわざ人里までやってくる程凶暴な奴は居ないし、居たとしてもそれは人間に友好的な魔物ばかり。
お父さんは騎士道騎士道ってうるさいけど、こんなのおぼえて何になるのかな。
「A」
三回ノックの音が聞こえて、はあい、と緩い返事をすれば入ってきたのは幼馴染のホメロスだった。
「A、今日は鍛錬しないのか？」
「んん、別に……」
少し長い金髪に目元にかかる長さの前髪が特徴的で、周りの老婦人や奥様方に美少年と人気だけれど、私からしたらただの生意気な子供。
「なんでだ、昨日も鍛錬場に来てなかったくせに」
「……だってゴリアテ様いないじゃない」
「……」
もう一度閉じた騎士道の本を開く。
お父様に完全暗記しろって言われて嫌々ながらもやっているのは、ゴリアテ様がこの本に書かれている通りの素晴らしい騎士サマだからだ。
「ゴリアテ様早く帰ってこないかなぁ……って、何するのよ？」
騎士十戒を眺めながら憧れの人を想っていると、ホメロスが面白くなさそうな顔で本を取り上げた。
「うるさい。 グレイグも待ってるんだ、早く行くぞ」
「わわっ、腕引っ張らないでってば！」
「……バカA」
「はぁ？ あんたに罵られるおぼえ無いんだけど」
「……ふん」
私を睨み口を尖らせて、奴は私の腕を離すとそそくさと歩いて行った。
(ほんっとに気に食わない)
まあでも、流石に二日サボるのはまずいかな。ゴリアテ様と手合わせした時鈍ってるとか勘付かれたら嫌だし。
明日にはあの人も帰って来られるだろうし、それまでの辛抱だ、頑張れ私！
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ChocoLa(プロフ) - 魔族長ホメロスさん» コメントあざます！めっちゃお褒めいただいて光栄ですん！続編は予定してます！カミュ夢になる予定です！ホメロスも乱入してきます！続編でもよろしくお願いします！ (2017年8月24日 14時) (
レス) id: 73c0835f44 (このIDを非表示/違反報告)
魔族長ホメロス - あ、いきなりすいません。１話から見て居ました。とても面白い小説でした！キュン要素とギャグ要素がいい感じでよかったです！ (2017年8月24日 14時) (レス) id: 8414186cd0 (このIDを非表示/違反報告)
魔族長ホメロス - 続編とかはないんでしょうか。。？これで終わりだと実況最後まで見たので悲しいです。続編期待します！ (2017年8月24日 14時) (レス) id: 8414186cd0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ChocoLa | 作者ホームページ：http://ulog.u.nosv.org/mylist
作成日時：2017年8月19日 15時
