S t a r .

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今にも泣きそうな祐希の顔が、事の大きさを物語っている。


”祐希じゃなくてよかった”

そう思った自分を殺してしまいたくなるくらい、苦しい、悲しい、




奥のカーテンを開けると

酸素マスクをし、点滴をしながらベッドに横たわっているまささん。


その綺麗な寝顔に触れると、温かくて、まささんの優しさがつたわってくるようだ。




『まさ、、、、さん』




まささんを見ると、好きだ、と思う。

ドキドキして、苦しくなって、祐希とは違う好きが溢れる。




石川「金属バットを持った男がさ…俺のところに走ってきたんだ。」




祐希の声が震えているのがわかる。




石川「そしたらまささんが体育館から出てきて、咄嗟に俺を、…かばったんだ。まささんは腰と腕を痛めてる。倒れた時に頭を打ってて、それで血が出たんだ。今はショック状態に陥ってるけど…命に別状はないらしい…」




命に別状はない。

それだけでも、十分によかったのだけど。




『バレーは…？』




お願い。

大丈夫だと言って。




石川「…わからない。でも、ワールドカップには、間に合わないだろうって…」




ワールドカップまで、あと4カ月。




石川「来週から、全日本に召集されて海外遠征がはじまる…。

A…俺どうしよう。

まささんからバレーを…奪っちゃったよ…」




祐希の涙で、まささんのベッドに水たまりができた。




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