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ネオン眩しい繁華街を早足で通り抜ける。
まだ水曜日だというのにべたべたと絡み合う男女がそこら中にいて、制服姿で1人の俺はこの地区ではかなり浮いているように思える。
まあ、そういう人たちはお互いに夢中で俺のことなんかこれっぽっちも視界に入っていないはずだ。
スマホで時間を確認すると22時26分。あと5分で電車が行ってしまうし、こんなところをふらふら歩いていたら補導されかねない。
高校生は入ることができない施設を横目に駅を目指して歩き続ける。
そのときだった。
進行方向に見えた腕を絡ませるおじさんと若い女。
ここら辺を歩いていれば、対して異常ではない光景だが、この2人に関しては俺にとって異常に見えた。
若い女が、クラスメイトの1人だったからだ。
このまま歩けば顔を合わせることになる。と一人で焦るも、あっちは俺に気づいた様子はなくごてごてした装飾の宿泊施設へ入って行った。
「いや…マジか……」
誰にも聞こえない声が勝手に漏れる。
あのおじさんは、多分彼氏じゃない。
おじさんと「そういうホテル」に入るってことは、そういうことだ。
普段のあいつからはそんなことをするイメージは全くわかない。詳しくは知らないが、ごく普通の女の子のはずだ。
なんで、どうして。
好奇心と興奮が膨らむのがわかる。
その日の夜、俺はあのときのことを思い出して自らを慰めてしまった。
終わったあとのぼーっとした時間には「明日きっと顔を見るであろう同級生」をネタにしたことに対する罪悪感と背徳感が身を襲った。
それでも、明日はやってくる。
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作者名：あり | 作成日時：2019年3月21日 17時
