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目の前の優斗は、俺の幼馴染の好きなところを考えているようだ。
久しぶりに不思議な気分を味わっている。
Aのことは、好きとか嫌いとかそういうものを超えた何かがあると思っている。
例えば、焼肉は好き!だけど食べなくても生きていけるだろう。つらいけど。しかし酸素のことは好きでも嫌いでもないがないと生きていけない。
我ながら微妙な例え。
実は一度だけ、Aのことが好きなんじゃないかと思ったことがある。
中学のとき、俺の友達はAが好きだった。こういう所が好きだと話されて「確かに俺もそういう所が好きだ」と思ったのだ。
でも高校生になって、そいつとは別の奴がAの彼氏になった。そのとき俺は「悔しい」とか「なんであいつ?」とかそういった類の感情が一切湧かなかった。まあ、高校生だしそんなことぐらいあるか、と。
だから、あの好きは勘違いだった。
正確に言えば好きなのは本当だが、彼女にしたい!的なことではなく最早家族に抱く感情に近い。
Aを泣かす人間は嫌いだ。
目の前の優斗がそんな奴じゃないことをただただ祈るのみだ。
「……あ、おれわかった」
しばらく立ち話をして、優斗と別れる。
優斗は本気でAが好きだ。
今のAは難易度が高いけど、こいつならいけるんじゃないか、なんて下世話なことを考えた。
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あり(プロフ) - 廉しょりさん» コメントありがとうございます!無事完結いたしました!読んでくださったようでとても嬉しいです!ありがとうございました! (2018年12月21日 22時) (レス) id: f999b45b65 (このIDを非表示/違反報告)
廉しょり - 完結おめでとうございます! (2018年12月21日 20時) (レス) id: d33008032f (このIDを非表示/違反報告)
白雪 - 頑張ってください! (2018年11月14日 18時) (レス) id: 7dc2471e07 (このIDを非表示/違反報告)
あり(プロフ) - 白雪さん» コメントありがとうございます!楽しみと言っていただけてとても嬉しいです。頑張って描き進めますので、どうぞよろしくお願います! (2018年11月10日 12時) (レス) id: 6af7259f28 (このIDを非表示/違反報告)
白雪 - 続きが気になります!更新楽しみにしてます^^ (2018年11月10日 1時) (レス) id: 7dc2471e07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あり | 作成日時:2018年11月6日 16時