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そっからはもう、正直よくわからなかった。
とりあえず教室へ行ったら、そうやんと何かを話すAちゃん。
何を話してるんだろう、と不思議に思っていたら突然進路指導室に連れて行かれた。
「……私のこと、好きなの?」
さらりと言った言葉に、おれはたじろいだ。
はっきりした性格の子とはいえ、まさかこんなにストレートに聞かれるとは思っていなかったし、いつバレたんだ!?と焦った。
まさか、こんなシチュエーションに遭遇するなんて。
こんなタイミングで告白するつもりじゃなかったけど、バレたなら、聞かれたならばもう言うしかない。
おれは心臓の鼓動を抑えながら出来るだけ冷静ぶって、堂々と言った。
「……好きだよ」
いや、言ってしまった。
お互いしばらく無言。
Aちゃんはずっとこっちを見ているが、この異様な雰囲気に耐えられなかったのかフイと目を逸らした。次に出てくる言葉がなんであろうと怖い。
「ありがとう。でも、ごめん」
小さな声で早口に行ってここから出ようとしたAちゃん。
わかってた、わかっていたけどやっぱりショックだ。
あぁ……と思っていると、頭に響いたそうやんの声。
『だから、意識させるの!あぁいうタイプは、そっちから行かないと心開かないと思う。意識させたもん勝ち』
ハッと前を向き、教室から出ようとするAちゃんに宣言する。
Aちゃんは、目を大きく開けてこちらを見る。
根拠のない自信が、おれから言葉を引き出した。
何か言いたげだったけど、それも遮って話す。
言い終わった後、はっきりとAちゃんの顔が赤くなっていた。
「……わ、わかったよ。がんば……れ?」
そう言って、一足先に教室を出て行ってしまった。
これって、不可能じゃないって思っていいですか?
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あり(プロフ) - 廉しょりさん» コメントありがとうございます!無事完結いたしました!読んでくださったようでとても嬉しいです!ありがとうございました! (2018年12月21日 22時) (レス) id: f999b45b65 (このIDを非表示/違反報告)
廉しょり - 完結おめでとうございます! (2018年12月21日 20時) (レス) id: d33008032f (このIDを非表示/違反報告)
白雪 - 頑張ってください! (2018年11月14日 18時) (レス) id: 7dc2471e07 (このIDを非表示/違反報告)
あり(プロフ) - 白雪さん» コメントありがとうございます!楽しみと言っていただけてとても嬉しいです。頑張って描き進めますので、どうぞよろしくお願います! (2018年11月10日 12時) (レス) id: 6af7259f28 (このIDを非表示/違反報告)
白雪 - 続きが気になります!更新楽しみにしてます^^ (2018年11月10日 1時) (レス) id: 7dc2471e07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あり | 作成日時:2018年11月6日 16時